25とりあえず活動する

 せっかく結婚相談所に入会してお金を払っているので、活動はしていきたいところだ。とはいえ、私の婚活に対するやる気は現在、底辺をさまよっていて浮上する気配が見られない。


 そんなところにカウンセラーから連絡がきた。放置型の方からで、おすすめしたい相手がいるとのこと。


「33歳の大学院卒の男性で、落ち着いていてアニメなどが趣味でおすすめです」


 私としては、自分のことを見つめなおしてから活動を再開しようと思っていたが、条件としてはまあ、悪くないので会ってみることにした。活動しなければ縁はつながらない。もしかしたら、このまま交際につながるかもしれない。


 久しぶりにお見合いをするので少し緊張する。とはいえ、今までの相手は会ってみたら案外話が進んだので、その点はあまり心配していない。



 問題は服装だ。10月くらいまでは相手と会っていたので、秋服は用意がある。しかし、今は11月の終わりで季節は冬に突入している。さすがに秋服で挑むのは少し寒いので、冬服を用意しなければならない。


 婚活の面倒な点は、相手に会うことのほかに、服装などに気を遣わなければならないことだ。結婚してしまえば、一緒に住むわけなのでお互いありのままの生活をするようになり、多少の気遣いは必要だが、ある程度、自分の好きな服装で過ごすことができるだろう。



 ということで仕方なく、ネットで服を探すことにした。個人的に冬の定番となるニットは苦手だ。暑がりである私はニットなどの厚地の服を着ると、どうしても汗をかいてしまって気持ちが悪くなってしまう。現在の会社は私服で通勤しているが、基本的にシャツにカーディガン、その上に上着という服装で脱ぎ着がしやすいというのを意識している。


 お見合いという観点から、カーディガンというのはアリだと思ったので、今回はカーディガンを購入することにした。ほかにタートルネック(首が低めのもの)、ズボン(ワイドパンツ)を2本、コート2着ほどを購入した。合計金額は4万円弱。現在ブラックフライデーで安くなっていて、そこから15%引きになったので、多少の値引きはあった。それでもかなりの金額を洋服に使ってしまった。


 これだから、婚活にお金がかかると言われてしまうのだ。とはいえ、これは必要経費なのであきらめるしかない。初対面の相手と会うのに、適当な服を着ていくことはできない。


 当然、今回も私はスカートを購入していない。お見合いで女性は「スカート」という風潮があるのだが、今後も私はスカートをはいて相手に会いに行くことはないだろう。スカートは高校の制服で卒業した。


 さて、服は買ったのであとはカウンセラーからお見合いの日がいつになるのか連絡を待つだけだ。



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