転生者が島津四兄弟の長兄島津義久となって日ノ本などを蹂躙するお話
第86話 朝鮮が対馬を占拠しようとしたので返り討ちにしてやったぞ、育てた貝を食われたのでタコを蛸壺で釣るようにしつつ、きのこも育てようか
第86話 朝鮮が対馬を占拠しようとしたので返り討ちにしてやったぞ、育てた貝を食われたのでタコを蛸壺で釣るようにしつつ、きのこも育てようか
さて、李氏朝鮮はこちらの回答にやはり怒ったのか船を揃えて5000の兵で侵攻しようとしてきた。
対馬の守備隊は1000だから数から言えば十分と言えただろう。
だが李氏朝鮮がそういう行動に出るだろうことは俺たちにとって既に織り込み済みでもあり、李氏朝鮮の水軍が対馬の周辺海域に到着したもののうちごく一部を上陸させ、島への上陸の事実を作っておいて守備兵により討ち取らせつつ、残りは対馬に設置したカルバリン砲の沿岸砲台による砲撃をくわえつつ、島津直属水軍のジャンク船のカノン砲によって対馬とその反対からの攻撃をくわえて船の足を止めさせた後に、若林水軍が切り込みを行うことで侵攻してきた船の多くを沈めたか操船不能に陥らせ、残りの李氏朝鮮の水軍は半島へ逃げていった。
守備兵や若林の兵士にも多少の死傷者はでたが沈められた船などはないとの報告を受けた俺はその報告をうけて若林水軍の負傷者を療病院に送るよう伝え、活躍したものには銭もしくは丁銀での報奨を行うことにする。
防衛戦では土地を分け与えることはできないからな。
「この度の差配見事である、後ほど報奨の銭を授けるものとする。
やはり朝鮮は国としてはともかく兵はあまりやる気はなかったようだな」
若林鎮興は頷いた、
「そのようでありますな。
そもそもやる気があれば倭寇に良いようにされないでしょう」
俺も帰ってきた言葉に頷いた。
「うむ、それは確かであろう」
それはともかく、日本の領土である対馬を李氏朝鮮が武力で制圧しようとしたこと。
そして、上陸したものも含めてほぼ殲滅されて逃げ帰ったことを明に報告しつつ、朝鮮との新たな条約の締結交渉に入ろうと思う。
・朝鮮は対馬を日本の領土と認め以後それに対しての異議を唱えぬこと。
・朝鮮は日本に対しての朝貢を以後求めぬこと。
・日本は対馬を朝鮮との開かれた市場とする、それ以外の場所でのやり取りは禁止する。
・対馬に来れるお互いの船の数の上限は前年に日本が決める。
今回は50隻までとする。
・日本は銅、硫黄、縫い針や農具などの鉄製品・
胡椒などの香辛料、蘇木などの香料などを対馬へ持ち寄る。
・朝鮮は上記物品に対して金・鉄・石炭・木材・木綿・薬用人参・陶器などを対価とする。
・交換比率は互いに持ち寄ったものたちの交渉によって決めるものとするが
ある程度後の比率は日本が決める。
・対馬で商売をするためには朱印状の所持を必要とする。
また月ごとに土地建物の使用料金と、
毎年の運上金を対馬で支払うものとする。
こんなものだろうか。
朝鮮国王的には屈辱かも知れないが交易商人にはさほど問題はないだろう。
俺は朱印状の発行手数料と土地建物の使用料金や運上金を手に入れられるし、商人は交易で儲けられる
朝鮮の国王から見れば屈辱的かもしれないが国庫の破綻を避けるためにも条約を結ばざるをえないだろう。
朝鮮への使いは宗義調と波多隆に任せよう。
「ではよろしく頼むぞ」
「はい、おまかせください」
「念のためいっておくがあちらにもこちらにも良い顔をしての偽書の作成などを行ったら一族皆鏖殺するから覚悟せよ」
「は、そのようなことをする必要はございませんゆえ行うつもりなどございません」
「ならばよい」
こうして対馬で討ち取った朝鮮の武官の塩漬けにした首などを携えさせ俺は二人を朝鮮へ送り出した。
最悪彼らが殺されたら朝鮮へ攻め込むこともあるかもしれないが、おそらくそれはないだろう。
朝鮮に対しての対処はまずおいておいて養殖しようとした牡蠣をタコに食われるという事例が結構あるらしい。
「ふむ、タコを蛸壺で積極的に釣り上げて被害を少なくするか」
「それもよう御座いますな」
「では早速やらせるとしようか」
日本ではタコは縄文時代や弥生時代から食われていたらしい。
しかも土器のツボを沈めて蛸壺として使っていたらしいから蛸壺漁というのはかなりの歴史があるのだな。
タコは西洋ではデビルフィッシュと言われてユダヤ教やキリスト教では鱗のない魚は食べてはいけないという理由で食われてなかったはずなんだけど、地中海沿岸では案外食べられていたらしい。
タコ壺漁は、海底に穴を掘ったり岩陰の穴や巻き貝の貝殻に潜んですごすタコの習性を利用したもの。
底に孔を開けて沈みやすくしたつぼを紐で繋いで海に沈めて、ある程度時間をおいたら引き上げて捕まえる。
この時代でも蛸壺は陶器だがこれだと簡単に割れるのでつぼにローマン・コンクリートを塗って割れないように補強しよう。
タコはタンパク質やタウリン、亜鉛などが豊富に含まれてるし、貝や魚に比べると食えない場所が少ないうえに茹でたり焼いたり干したりして食べると結構うまい。
「貝を食われないようにするにも、タコを食べて精をつけるにも良いな」
「そうでございますな」
ちなみに俺の奥さんたちも山口にやってきてる。
そろそろ次の子供ができておかしくない頃だ。
さて、あと輸出品として高く売れるものとしては干し椎茸等がある。
干し海鼠や干し鮑、鱶鰭などに比べても見劣りはしないしそろそろ人工栽培に取り掛かろうか。
椎茸の人工栽培の始まりは江戸時代の頃に炭焼き用に積み上げたあるナラの原木に多数の「しいたけ」が自然に生えてきたのを見たのが始まりだそうで、シイタケの宿主となるナラやシイなどの樹木を伐採し、これに鉈などで傷をつけた後、林内に並べて適宜に水分を補給するといった程度で、種菌を人工的に接種するまでには至らなかったから茸が生えるか生えないかは運任せ、生えれば大金持ちだが生えなければ破産のギャンブルだったらしい。
21世紀では茸栽培は農協で種木を購入できるからそんなに難しくもなかったのだがな。
実は茸には大きく分けて2種類あって、生きている木に生える菌根菌系の茸、マツタケやホンシメジなどがそうでこれらは人工的な栽培は難しい代わりに、生命力が強くまとまって生えているので見つけるのはそんなに難しくない。
また枯れ枝などは燃料として拾われてしまう戦国時代でも生きている松の根っこなどは持っていかれないので比較的たくさんとれる。
枯れた木や落ち葉に生えてそれを分解する腐生菌系の茸、シイタケやナメコ、マイタケなどのキノコがそうで、これ等は自然の中では倒木や切り株、落ち葉などに生える菌類で、腐生菌系は、人工栽培がやりやすい、切った木を使えるわけだからな。
その代わりこの時代だと枯れ枝を根こそぎ持っていかれたりするので意外と見つけるのは大変。
「まずは山に入り茸の種となる茸が生えている木を探すとしようか」
今日は山口で働いている公家たちなどを率いてきのこ狩りを行うことにした。
「なかなか島津の殿様は風流がわかっていますな」
「そうですな」
いや別に風流は求めてないけどな。
「よし、じゃあ、今日は茸と原木を探しに山にいくぞ」
俺は家臣や貧乏公家たちを率いてきのこが生えてる枝などを持っていく背負子やきのこを入れる籠を持たせて、秋の山へ向かう。
山に入り、まずは見つけやすい松茸を摘み取っていく。
「うん、やはりよい香りだな、味はそれほどでもないのが何だが」
さて、見つけた茸だが食うのに適していない小さいものは育つようにそのまま残す。
野生の猪や猿、鹿や虫が齧って傷んでるものは木から取り除き周りに腐敗が広がらないようにする。
そうやって松茸をある程度採取したら場所を移動する。
時は金なりだ、山の中に生えている様々なきのこを取ってはかごに入れて、人工栽培する予定の椎茸(しいたけ)、榎茸(えのきだけ)、樗占地(ぶなしめじ)、平茸(ひらたけ)、舞茸(まいたけ)、滑子茸(なめこたけ)、木耳(きくらげ)、霊芝(れいし)、猪苓舞茸(ちょれいまいたけ)などの茸の生えている枝ごと持って行く。
見つけた冬虫夏草(とうちゅうかそう)も持っていくとしよう。
「おや、きのこが生えた枝ごと持っていくのですか?」
新納忠元が不思議そうに聞いてきた。
「ああ、これをもとに人工的に栽培して増やそうと思ってるんだ」
「まさか、そんなことができるのですか?」
「牡蠣と同じだよ。
まあ、成功するかはわからんがな」
「なるほど、たしかに牡蠣を増やすことなど考えていませんでしたな」
そうして、山に入った皆の背負子や籠が一杯になったら山を降りることにする。
「さてさて、理論的にはそんなに難しくはないはずなんだがうまく行くかどうかはまだわからんな……」
山口の屋形に帰ってきて、今夜は鶏と卵と葱と茸の鍋だ。
寒くなりつつあるので鍋は良い。
「うむ、実にうまいものだしあたたまるな」
さて翌日から俺は早速茸の人工栽培に取り掛かることにした。
俺はナラやクヌギに楔を打ち込めるようになたで切れ目をいれ、そこに椎茸が生えている木をくさび状に割って木槌で打ち込んでいった。
滑子にはブナ、トチ、平茸にはクルミ、ヤナギ、舞茸にはミズナラ、コナラ、ブナ、クリ、木耳にはニワトコの木によく発生するらしいので、ブナ、ナラ、カエデなどを使って同じように榾木を打ち込む。
冬虫夏草は蚕の蛹を菌床にする。
そしてそれぞれの植え込んだ茸が何なのかわかるように打ち込んだ楔のきのこの名前を削って書き込む。
あとはそれぞれが取れた場所に柵を作って鹿などに食われないように戻すだけだ。
上手くいけば2年位で食えるようになるだろう。
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