③けもの嫌いとポメざむらい 巨大ねこ帝国の野望

ヤマモトユウスケ

プロット

◯一行要約(ログライン)

『獣人世界で目覚めた動物嫌いな少年が、さむらい犬女と手を組み猫の帝国に立ち向かう。』


◯参考作品

『境界線上のホライゾン』

『ストライク・ザ・ブラッド』

『錆喰いビスコ』

『翠星のガルガンティア』


◯世界観

・ファンタジー側(一般的な獣人側から見る世界)

人間がおらず、獣人だけの世界。魔物とか巨大生物とかはいる。

空気中に『魔力』が漂い、獣人たちは『魔力』を用いて様々な技術を発展させてきた。

獣人たちは、かつて天地あまねくすべてを支配していた『創造神族』の栄華を手にするため、『創造神族』の文化を模倣し、サムライの国『玄氏クロシ幕府』や猫至上主義帝国『ミャウライヒ』など様々な都市国家を形成している。

模倣都市国家群は時に協力し、時に対立しながら文明を積み重ねてきた。

ときおり、空から『はぐれ神』が降臨することがあり、絶大な力を持つ神が居ついた国家は、百年の栄華を得るという。

そのため、『はぐれ神』の降臨は戦乱の始まりを意味している。


・SF側(この世界がどう成り立ったかを知るものから見る世界)

人類が滅んでから数千年が経過した地球。

人類が、ヒトを含む様々な動物の遺伝子から生み出した強化生物が生き残り、数千年かけて進化したものが獣人の正体。

『魔力』=『人工エネルギー粒子M461.C』

『創造神族』=『すでに滅んでしまった人類』

『はぐれ神』=『惑星軌道上でコールドスリープしていたため絶滅から逃れた人間が落ちてきたもの』

模倣都市が『幕府』や『ライヒ』など地球人類の文化の模倣なのは、断片的に発掘された文献などから文化の再現が試行されるため。

『はぐれ神』が絶大な力を持つのは、『魔力』が本来は人間用に開発されたものであり、人間こそがその性能を最大限に発揮できるため。

『はぐれ神』が居ついた国家が発展するのは、だいたいの場合、『魔力』の扱いに長けた人間と獣人のハーフが生まれるからである。


◯主要キャラクター

・主人公『イサナ・コンドー』

ビジュアル:持病があったため線は細いが身長は平均的。やや目つきの悪い黒髪黒目の少年。玄氏幕府から与えられた和装を着用する。16歳。

性格:大人しいが、卑屈で皮肉屋。その態度は裏返しで、要するにツンデレ。

セリフイメージ:「僕は動物が嫌いだ。うるさいし、くさいし、クッションを噛むし、あと勝手に……うん。とにかく、嫌い」

物語中での変化:失うことが怖くて素直になれない少年→ちょっと素直になった少年

《詳細》

二十一世紀生まれの普通の少年。

動物嫌いを公言している。が、それは「十歳のころ、家族のポメラニアンが交通事故に遭って命を失ったこと」がトラウマになっており、他人や動物と親しくするのが怖くなってしまったからである。

骨が溶けて消えていく不治の難病を持ち、大腿骨を含む全身の骨の四割を消失している。

治療法が開発されるのを待つため、コールドスリープ状態で生命維持ポッドに封印されて惑星軌道上を漂っていた。

好きなものは寿司とラーメンとハンバーグとゲームとマンガと犬が死なない映画。

《作中動向》

ポッドごと落下して目覚めると、骨がすべて頑丈な『魔石』に置き換わって持病は克服していたが、動物嫌いなイサナにとっては最悪な、獣人しかいないファンタジーな世界になっていたため、元の世界への帰還を望む。

玄氏幕府に保護され、ミャウライヒの諜報員たちから身を守るため、護衛のアラヤと二十四時間一緒の生活を余儀なくされる。

また、家老銅鐘チユジの策略で多数の美人な獣人に夜這いされるが、動物嫌いと言い張って忌避し、すべて拒絶。

アラヤとの交流も拒否するが、騒動の中で惹かれ合っていく。

そして「なぜ動物が嫌いなのか」のトラウマをアラヤに告げた夜に、アラヤに夜這いされ、チユジの差し金だろうと理解しつつも手ひどく拒絶してしまう。

そのまま、ショックと自己嫌悪でアラヤを振り切って逃げたところを、レックス大佐に捕獲され、ミャウライヒに連行される。

そこで「ここは異世界ではなく人類滅亡後の地球である」と教えられ、元の世界には決して戻れないと知る。

失意の中で人体実験の材料にされそうになるが、捨て身のアラヤに救出される。

逃げ込んだ地下水道で、全身全霊でアラヤの負傷を癒そうとするが、人間用ではない『M461.C』では獣人を救えず、アラヤは命を落とす。

再び捕らえられたイサナは、魔石と化した骨にケーブルを直結され、汎用猫型決戦兵器の動力源『ニンゲン炉』として扱われ、そのまま玄氏幕府に攻め込もうとしたところで、犬神/剣神として復活したアラヤに今度こそ救われ、ふたりでレックス大佐を倒す。

その後、アラヤが生きていることを確認して安堵し、改めてアラヤに護衛を頼む。


・ヒロイン『誉倉ほめくらアラヤ』

ビジュアル:白いふわふわの毛と丸っこい犬耳と尻尾を持つ美少女で、ポメラニアンの獣人。黒羽織に黒袴に大太刀を佩いた女さむらい。16歳。

性格:従順で誠実。主君たる将軍に忠実で、命令にはぜったいに従う。それ以外の面ではいたずらっぽく遊び好き。

セリフイメージ:「拙者はさむらいにございます。主君の命あらば、いかなる相手でも斬り捨ててみせましょう」「わふっ」

物語中での変化:任務を第一とするサムライ→任務よりも友情を選んだ流浪犬るろいぬ

《詳細》

玄氏幕府で生まれた褒倉家の四女で、抜群の戦闘センスと天賦の才で筆頭剣士の座を手に入れた豪傑。

魔力で身体能力を強化し、大太刀を振り回して戦う。

主君や上役の命令に忠実な、玄氏幕府の懐刀。

任務であれば殺しもためらわないが、任務外では温厚。休みの日はよく下町の子供たちと遊んでいる。

好きなものは肉と骨。野菜は少し苦手。

《作中動向》

イサナ・コンドーの護衛任務に取り組む中で、最初は排他的なイサナをよく思っていなかったが、イサナが獣を嫌う理由を知って、その内面に惹かれていく。

だが、イサナと仲良くなってしまったために、家老の銅鐘チユジに『伽をして子を作れ』という命令を受け、悩みながらもアラヤに夜這いを仕掛け、拒絶される。

その後、ミャウライヒのレックス大佐にさらわれたイサナを助けに行こうとするが、ことを荒立てたくない銅鐘チユジに「待て」と命令される。

アラヤは「イサナに謝りたい」の一心で初めて命令に背き、玄氏幕府を出奔。

流浪犬となってイサナを助けに向かい、ミャウライヒに侵入。イサナを救い出すも、度重なる無茶な戦闘によって身体が崩壊し、イサナに詫びながら落命。イサナも再び奪われてしまう。

が、その際にイサナから受けた捨て身の治療によって、一時的に創造神族の魔力操作権限を得ていたため、死から蘇って犬神/剣神として顕現。

玄氏幕府に攻め込まんとする汎用猫型決戦兵器を破壊してイサナを救いだし、共にレックス大佐を打倒する。

アラヤは改めてイサナに詫びと感謝を伝え、一緒に平野を歩いていく。


・ヴィラン『レックス大佐』

ビジュアル:長身でスタイルの良い美女で、艶やかな黒の猫耳と長くしなやかな尻尾を持つ。ジャーマンレックスの獣人。カーキ色の軍服を着用している。28歳。

性格:苛烈で嗜虐的な自信家。また差別主義者でもあり、『創造神族は猫を敬っていたから猫こそが真の支配者である』という猫至上主義説を提唱し、他種族のみならず人間も見下している。

セリフイメージ:「吾輩はねぇ、猫であるのだよ。わかる? 下等な犬ッコロが手ェ出していい相手じゃねェんだよ……ッ!」

物語中での変化:なし

《詳細》

ミャウライヒ近郊の貧しい農村の生まれ。

画家を志すも芸大の奨学生試験に落ち、給料の良さから軍に入る。優秀さから遺物研究チームに配属。

創造神族の遺物を発掘し解析する中で猫至上主義説に辿り着き、巧みな政治的手腕でミャウライヒ軍部を思想で支配するほどに成長。

専門は西暦2500年代のロボット兵器技術で、魔力で駆動する巨大な汎用猫型決戦兵器(耳パーツはない)を操る。本人も格闘センスに優れており、身体強化と銃剣を用いて戦う。画家になる以外はなんでもできる猫。

尊大だが本質的には劣等感の塊で、「ニンゲンよりも猫のほうが秀でていることを証明する」ために、はぐれ神イサナ・コンドーをつけ狙う。

好きなものは少女マンガ。

《作中動向》

いち早くニンゲンを確保するためポッドが落下した平野に出向くが、アラヤに阻止されてしまう。

その後、玄氏幕府に諜報員を送り込んで拉致を狙うが、うまくいかなかったため直接乗り込み、ひとりになったタイミングを狙って確保。

イサナの反逆心を削ぐため「ニンゲンはとっくに滅んだ」と世界の真実を告げ、人体実験に踏み込むが、またしてもアラヤに阻止されてしまう。

怒り狂ったレックス大佐は全兵力をアラヤひとりに傾け、重傷を負わせて殺害。

再びイサナを確保し、汎用猫型決戦兵器の『ニンゲン炉』にする。

そのまま、さらにイサナを痛めつけたいがために玄氏幕府に攻め入ろうとするが、復活したアラヤに兵器を破壊される。

最後は自分自身の生身でアラヤに決闘を挑むが、敗北する。


銅鐘どうがねチユジ

ビジュアル:かみしもを着て帯刀する直立二足歩行のドーベルマン。かなり獣よりの犬獣人。いつも額にしわを寄せて難しい顔をしている。45歳。

性格:玄氏幕府、玄氏家の守護を第一に考える老獪な政治家。

セリフイメージ:「玄氏幕府の侍たるもの、抜け毛の一本、血の一滴まで玄氏家の所有物なり。儂の許可なき行動はなにひとつ許さぬ」

物語中での変化:部下の勝手を許さない→部下の勝手の結果を見て、その在り方を認める

《詳細》

玄氏幕府の若き将軍を支える家老。

とにかく堅物、難物で規則と法をなによりも重んじる。

褒倉アラヤの上役。

好きなものは焼き鳥。

《作中動向》

玄氏幕府直轄領の平野に落下した『はぐれ神』の確保をアラヤに命じる。

その後、ミャウライヒの乱暴な横やりに外交方面から苦情を入れつつ、神とのハーフを次代の部下として得るために美貌の女獣人たちに命じて夜這いさせるが、すべて拒否される。

ならば仲のいいアラヤならいけるか、とアラヤに伽を命じ、結果としてイサナとアラヤ両方を玄氏幕府から失い、ミャウライヒから宣戦布告される結果となってしまう。

責任をとるため腹を切ろうとするが、玄氏カコウに止められ、「ふたりが帰ってきたらちゃんと謝ること」を命じられ、カコウの成長に涙しながらミャウライヒ対策に奔走する。

汎用猫型決戦兵器にはかなわなかったが、被害を最小限に減らすことに成功。


玄氏くろしカコウ

ビジュアル:小さな黒い柴犬の獣人。かわいい。9歳。

性格:素直で尊大だが思いやりがあり、為政者としては心優しすぎるきらいがある。

セリフイメージ:「うつけものめ! それは余のおやつじゃ!」

物語中での変化:チユジに頼り切った若君→チユジをいさめられる若将軍

《詳細》

政争で父母を亡くし、若くして将軍の座を継いだ苦労犬。

人懐っこく、なんでも信じる。神々の時代に興味津々。

自分は偉いからなんでもしてもいい、と考えている。

好きなものは甘いお菓子と他人の話。

《作中動向》

『はぐれ神』に興味津々で、イサナのところを訪ねては神々の話をねだる。

その中で「余はえらいから政治をチユジに丸投げして遊んでいてもいい」と話すが、むしろ「やるべきことをやらないのは偉くない」と諭される。

イサナ、アラヤが玄氏幕府からいなくなった後、腹を切ろうとするチユジを制止し、将軍としてすべきことは「民を守ること」と判断。

チユジと共にミャウライヒ対策に奔走する。

似合わない鎧兜を纏って、犬神/剣神の顕現と勝利を見届ける。


◯用語

・『魔力』

人工エネルギー粒子。正式名称は『M461.C』。

意思(脳波)によって操作可能で、さまざまな現象を引き起こせる。

結晶化すると『魔石』になる。

西暦三千年代の人類が地球の中心核に打ち込んだ『M461.C増殖炉』によって無限に精製され、地表や海底から放出され、空気中を漂っている。

獣人たちの解釈として、特に大量に放出されている場所は『龍穴』や『龍脈』。

魔力を操作して現象を起こす行為を『魔術』や『妖術』、魔力を消費して稼働する装置を『魔道具』『呪具』と呼んでいる。

そもそもが人間用であるため、獣人たちが『魔術』を扱う場合は、脳波のイメージを強めるための詠唱、精神統一、集中力、気合い……などを必要とし、精神的疲労が生じる。

人間は長い詠唱や過度な集中を必要とせず、おおむねイメージ通りに動かすことが可能。


・『創造神族』

獣人(そのプロトタイプ)を作ったもの。

人類そのもの。滅んだ理由は不明。

(『突如襲来した宇宙怪獣に敗北した』と考えていますが、一巻プロット段階では使う予定がない設定です。)

惑星軌道上でコールドスリープしていた人類がポッドごと落下してくることが稀にあり、獣人世界に現れた人類を『はぐれ神』と呼ぶ。


・『獣人』

創造神族によって作られた存在。現在の地球の覇者。

人間がヒト遺伝子を含む多種多様な動物の遺伝子を用いて作りだした強化生物たちが、人類滅亡後に進化した種族。

フィジカルが強い。

見た目は二足歩行する動物から、人間に耳と尻尾が生えたものまで、かなり幅がある。

群れに形成して生活する本能的習性があるため、同じ種族で固まりやすい。


・『模倣都市国家』

「創造神族の文化や文明をマネしていれば、そのうち創造神族と同じくらい発展できるんじゃね?」と考えた獣人たちの国家で、基本単位。

発掘した遺物を研究し、再現した街を作って生活している。


・『玄氏クロシ幕府』

犬獣人が中心の都市国家。海沿いに建ち、大きな港も持つ。

日本の江戸幕府を模倣しており、街並みも江戸っぽい感じ。

玄氏将軍家が治めている。

サムライやニンジャがいて観光客に人気。


・『ミャウライヒ』

猫獣人しかいない都市国家。山間に建つ。

ドイツ第三帝国を模倣しており、機械産業が盛ん。

近年は特に「猫は創造神族にとっても特別な存在で、お猫様と敬われていた。猫こそが創造神族の支配者であったのだ」という思想が横行し、過激な差別主義の蔓延につながっている。


◯物語構成

《概要》

文庫ラノベ1巻で全9パート4章、見開き原稿130ページ程度を想定しています。

本格的に本文に取り掛かる場合は、表計算ソフトでイベントリストを作ってページ数で分けて書きます。


《各章概要》

・プロローグ(三人称)1~2ページ

『号外! 玄氏幕府直轄領に、空から何かが落下!』と瓦版が伝えるシーンから。

将軍玄氏カコウ、家老の銅鐘チユジの命を受けた筆頭剣士の女さむらい褒倉アラヤが乗犬を走らせ確認に向かうと、そこにあったのは筒状の遺物。

中から『はぐれ神』と思しき少年が逆さに転げ落ちてきたため、最上位の礼を取って挨拶するが、少年は不機嫌そうに「僕、神様じゃないんだけど」と否定する。


・一章(イサナ一人称)プロローグ含め30ページ前後(全体30/130)

僕は動物が嫌いだ。というモノローグからスタート。

コールドスリープから目覚めると、変な世界だったことに困惑しながら現状を確認していくイサナ。

ふざけた犬耳さむらいコスプレにしか見えないアラヤの存在を嫌がりつつ、情報を得るため会話をしていると、「レックス大佐の命で迎えに来た」というミャウライヒ諜報部隊の襲撃を受け、アラヤが難なく撃退する。

イサナは戦闘風景を見て「異世界転生だ」と理解(誤認)する。

「頼ってください」というアラヤに、「僕はだれにも頼らない、ひとりでいい」と言い返すイサナ。

玄氏幕府にて将軍玄氏カコウ、家老銅鐘チユジに会い、自分の骨が魔石に置き換わっていることを知る。

模倣都市国家など世界観の説明や、ミャウライヒのレックス大佐が『はぐれ神』であるイサナを狙っていることなども説明する。

また『元の世界に帰る』ことを目標とする。

アラヤによる護衛を「動物が嫌いだから」という建前で断ろうとするが、ミャウライヒの諜報員に襲われ、とっさに魔術を発動させて撃退するが、威力が強すぎて暴走。

アラヤに助けられる。

魔術をコントロールできるように鍛え、自分の身を自分で守れるようになるまで、アラヤの護衛を受けることをしぶしぶ了承。

ふたりの生活がスタートする。


・幕間1(三人称)1~2ページ

『創造神族様襲撃される! 家老銅鐘チユジ様、ミャウライヒに遺憾の意を表明』と瓦版が伝えるシーン。

チユジが「若き将軍を支える次代のさむらいを作らなくては」と考え、神の子を得る計画を思案し、若くて美しい獣人を選ぶよう部下に指示する。


・二章(イサナ一人称)幕間1含め35ページ前後(65/130)

アラヤと共に下町の子供たちと遊んだり、カコウ将軍とお菓子を食べたり、魔術を鍛えたりする明るめのイベントで、イサナはアラヤと徐々に仲良くなっていく。

チユジが差し向けた夜這い軍団のお色気にイサナは動転しつつも夜這いを拒否し、アラヤは軽くむくれる。

夜這いを拒否したイサナは、アラヤに「どうして動物が嫌いで、他人を拒絶するようになったのか」を吐露する。

幼い頃、飼っていたポメラニアンを散歩中の交通事故で亡くしたこと。

自分が気を付けていれば、失わずに済んだかもしれないこと。

いなくなってしまう、失ってしまう辛さから、再び誰かと親しくなることを恐れてしまうようになったこと。

アラヤはイサナに寄り添い、またしてもミャウライヒの機械化諜報員たちが襲い掛かってくる。

イサナも鍛えた魔法で撃退し、強くなっていることを確認する。


・幕間2(三人称)1~2ページ

『機械化兵、サムライに連敗! レックス大佐無言を貫く。左遷間近か!?』という新聞を読むレックスのシーン。

部下を怒鳴りつけ、「吾輩が直接行く」と椅子から腰を上げる。


・三章(イサナ一人称)幕間2含め35ページ前後(100/130)

自分の身を守れると証明したイサナは、元の世界に戻る手がかりを得るため、旅に出たいと思うようになる。

焦ったチユジは直接イサナに「ならば神の胤を残していってほしい」と伝えるが、イサナは嫌悪感を示して拒否。

その夜、アラヤが夜這いに来る。

イサナは「チユジが命じて、アラヤは断れなかったのだろう」と半ばわかりつつも、アラヤに「そんなやつだとは思わなかった」と言い捨てて玄氏幕府を出奔。

ひとりでさまよっているところをレックス大佐に襲われ魔術で対抗するが、「抵抗すれば玄氏幕府を襲撃する」と脅され、やむなく捕虜になる。

追いかけてきていたアラヤも、レックス大佐の機械兵器で怪我を負わされてしまう。

イサナはミャウライヒの要塞に連行され、レックス大佐に「研究に協力するから元の世界に戻る方法を探してほしい」と頼むが、レックス大佐は大笑いして「元の世界には戻れない、この世界こそが地球である」と告げる。

人類は滅んでいた。イサナは衝撃を受け、レックス大佐は千年の繁栄のためにイサナを切り刻んでサンプルにすると嗤う。魔力のない部屋でイサナは大量の血を抜かれ、衰弱する。

血を使った実験から思うような成果を得られなかったレックス大佐がイラつく中で、アラヤが要塞に乱入。

イサナを抱えて研究室を飛び出し、ミャウライヒの地下水道に逃げ込む。

アラヤはミャウライヒ陸軍の要塞に突入するための無茶な身体強化と度重なる戦闘によって、体がずたずたになっていた。また、逃げ際に撃ち込まれたレックス大佐の弾丸によって致命傷を負っていた。

イサナは、アラヤがチユジの『待て』という命令を無視して玄氏幕府を抜け、流浪犬になって助けに来たのだと知る。

イサナとアラヤは、ようやく、ほんとうの意味で心を通わす。

イサナは必死にアラヤを救おうと魔術を使う。もう失いたくない、と願い、必死に処置するが、アラヤは絶命する。

絶望するイサナを、再びレックス大佐が捕らえる。アラヤの遺体は捨てられた。


・幕間3(三人称)1~2ページ

『レックス大佐大手柄! ニンゲンを確保し玄氏幕府に宣戦布告か』というミャウライヒの新聞を読むチユジ。

責任を取って腹を切るというチユジを、カコウが制止し、イサナとの交流を思い出す。

「いくさに備えよ。民を守るために、そちの力が必要じゃ」と将軍として立ち上がる。チユジはカコウの成長に涙する。

「あと、ふたりが帰ってきたら、ちゃんと謝るのじゃぞ」


・四章(イサナ一人称)幕間3含め30ページ前後(130/130)

全身の骨にケーブルを直結され、『ニンゲン炉』にされたイサナは、汎用猫型決戦兵器の動力源として扱われるも、抵抗し続ける。

「無駄なことを」と冷笑するレックス大佐に嫌味を吐きながら、諦めることはない。

だが抵抗むなしく汎用猫型決戦兵器は起動し、玄氏幕府に向けて進軍を開始する。

玄氏幕府は平野で迎え撃つが、『ニンゲン炉』で稼働する巨大ロボには歯が立たない。

万事休すか……と思われたところで、ゴミ捨て場から莫大な魔力をまとったアラヤが立ち上がる。

イサナの決死の治療の際に、アラヤにイサナの血と肉と「僕の全部を使っていい」という思念が譲渡されたことで、一時的にニンゲンと同等の魔力操作権限を得て、犬神/剣神として復活したのだ。

アラヤはミャウライヒの軍隊を蹴散らし、魔力製の巨大な日本刀を顕現させて汎用猫型決戦兵器をも切り伏せ、イサナを救い出す。

イサナの血が抜け、ただの獣人に戻ったアラヤは、爆発する兵器から逃げ出していた傷だらけのレックス大佐の決闘を受け、引導を渡す。

イサナはアラヤに「この世界で生きていくつもりだけど、ひとりじゃ心もとないから、僕の護衛をしてほしい」と告げ、アラヤは笑顔でこれを了承。ふたりは平野を歩いていくのだった。


・エピローグ(三人称)1~2ページ(はみ出た)

『大勝利! はぐれ神イサナ様と大剣豪褒倉アラヤ殿、ミャウライヒの巨大からくりを撃破! 戦後処理は難航か――家老銅鐘チユジの止まらぬ胃痛』という瓦版を読むアラヤ。

小さな獣人の子供たちと遊ぶイサナに声をかけ、自分も遊びに混ざりに行く。

風で瓦版がめくれ、違う記事の紙面になる。


《ここで二巻の引き》

・案1『謎の物体が落下か!?』という記事

二巻内容:主人公イサナを追いかけて、義理の妹(肉体年齢がイサナより上になってから、イサナのポッドと連動して解凍される設定でコールドスリープに入った)が落ちてくる。

・案2『ほかの都市国家で軍事的緊張が高まる』という記事

二巻内容:他文化の模倣都市国家、例えばフランス王朝を模倣した竜人の国家などイサナを求めて戦争をおこし、玄氏幕府はミャウライヒの残党と手を組んで対抗する。

・案3『他国家で万能治療遺物、発掘か』という記事

二巻内容:骨の持病を魔石化ではなく完全に治せる医療用デバイスを譲ってもらう対価として、他国家の抱えるトラブルを解決するために奔走する。


設定として『ほかの人間』『ほかの国家』をフックに、様々な獣人ヒロインを増やしながらボンドガールシステムで話を展開できます。


《本文》

次ページ以降、本文パートとなります。

内容は冒頭から約8ページと、三章終盤の約2ページです。

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