第8話 再会を希(こいねが)う
先生は複雑な顔をして、そう言った。でも、それはとても優しい表情で、私は不思議で仕方なかった。先生は何を考えているのだろう。
「そろそろ帰るよ」
「はい……また」
私は迷った結果「それじゃあ」でも「さよなら」でもなく「また」と言った。
先生と喋りながら、連絡先を教えて貰った。部顧問の先生なんかは生徒にメアドとかを教えてる先生も多いから、問題は無い。きっとまだ、先生との縁は切れてないから。また、と再会を誓う。
「思うところがあったのは、きっとお前の――佐倉のおかげだな」
病室から出るときに、先生が何か言った気がしたけど、私には聞こえなかった。
***
春休みに入って、お見舞いに来てくれる友達が増えた。
頭の良い友達には休んでいた分の授業を教えて貰った。
新しいクラスが不安だ。
終業式にも出れなくて、始業式にも出られない。
途中参加のようになる新しいクラスでは、上手くやれるだろうか。
馴染めるかな。
少なくても良いから、友達できるかな。
鳴上先生に相談すればきっと、くだらんなぁ、と不安も断ち切ってくれる。
直接言って貰えないのが切なくて不安だけれど、きっと大丈夫と、自分に言い聞かせた。
始業式のクラス発表を、美香がメールで送ってくれた。同じクラスに、親友の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます