第8話 再会を希(こいねが)う

先生は複雑な顔をして、そう言った。でも、それはとても優しい表情で、私は不思議で仕方なかった。先生は何を考えているのだろう。


「そろそろ帰るよ」

「はい……また」


私は迷った結果「それじゃあ」でも「さよなら」でもなく「また」と言った。


 先生と喋りながら、連絡先を教えて貰った。部顧問の先生なんかは生徒にメアドとかを教えてる先生も多いから、問題は無い。きっとまだ、先生との縁は切れてないから。また、と再会を誓う。



「思うところがあったのは、きっとお前の――佐倉のおかげだな」


病室から出るときに、先生が何か言った気がしたけど、私には聞こえなかった。



   ***


春休みに入って、お見舞いに来てくれる友達が増えた。


頭の良い友達には休んでいた分の授業を教えて貰った。


新しいクラスが不安だ。

終業式にも出れなくて、始業式にも出られない。


途中参加のようになる新しいクラスでは、上手くやれるだろうか。


馴染めるかな。

少なくても良いから、友達できるかな。


鳴上先生に相談すればきっと、くだらんなぁ、と不安も断ち切ってくれる。


直接言って貰えないのが切なくて不安だけれど、きっと大丈夫と、自分に言い聞かせた。


始業式のクラス発表を、美香がメールで送ってくれた。同じクラスに、親友の柏木柚騎かしわぎゆずきがいて、とりあえず一安心だ。

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