29話 ワールドアパート
彼女と同棲している夢を見た。何気ない日々が流れていて、本当に幸せな夢だった。夢から醒めると俺はいつものように孤独だった。できればずっと夢の中に居たかった。
さみしく起床した俺は、アパートに充満する虚しさの中でタバコを吸い始めた。
何なんだこの現実は!?!?!?!?
最近は憂鬱な感情だけがあって、他は何も感じなくなってきた。どうすれば感情を取り戻せるのか。無味乾燥な日々が続くのは死んでるのと同じだ。9.5畳のアパートの現実は麻痺した。
俺は単細胞なので、彼女が居たら悩みの99.9%は解決される。夢の中で俺は幸せを感じていた。俺にもう彼女はいない。誰もいない。実体の無い未来が続くだけだ。
単細胞で思い出した。中学時代、友達に「お前って単細胞だよな」と言ったことがある。あの時の俺は今よりアホだった。
僕の政治的思想は圧倒的に左翼だが、最近の左翼は劣勢に立たされている。どうでもいい。僕は選挙に行ったことがない。腐った世界を変えるのは常に左翼かアホだ。
俺はこのアパートの中でどこへだって行ける。
俺は妄想の翼を広げ、どこまでも飛ぶことができる。たった今、架空の彼女や架空の親友を召喚することもできる。しかし最近は飛ぶ気力が無い。
鏡に映る俺がキモすぎて殺害したくなる。寝癖が大爆発している。顔面のほくろが多すぎる。
今日もsyrup16gのライブのBlu-rayを見ている。俺の中で唯一無二のバンドすぎて、これから先syrup16gより好きになれるバンドは無いと既に断言できる。
ちなみに俺は来世で結婚する相手は既に決まっている。名前は出さないが知っている人は知っているかもしれない。
青年と走るのですが、それこそ、このアパートの現実はどうかは別ですがお子様とでご家族間と言ったことに対してお言葉ありがとう。
自分の太腿を思いきり殴ってみたが対して痛くはない。
足先の感覚はあまりない。俺の末梢神経はどんどん酒で破壊されていく。
熱燗を飲んでみました。うまかったです。
テレビで一瞬だけ競馬を見ていた。馬の体をムチで叩いて早く走ることに何の意味があるのか。金を稼ぐことに何の意味があるのか。
昔、エアフォーリアに全てを賭けて、敗北した経験から、もう競馬はやらないと決めている。
かわいい女の子とやったからもう人生に後悔はないね。
俺はなんて薄っぺらい男なんだ。こんなのは愛じゃない。
むなしい。何も楽しくない。
天使と悪魔が入れ替わっている。
全ての物事に意味はない。
あなたをすべてなくした。この空間には俺以外に誰もいない。涙も出てこない。何も感じない。
アジカンのワールドアパートを聴いている。アジカンは、後藤の人間性はともかく音楽は素晴らしいと思う。俺は橙って曲が1番好き。
俺は夢の中で彼女と同棲していた。
彼女が着替えようとするたびに、俺は別室に移動しようとした。
しかし彼女がそれを止めた。
……もう夢の話をするのはやめよう。虚しいだけだ。
みなさん、俺は何のために生きればいい。
次回に続く
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