第18話セックス
清らかな雨が降る夜、僕とレラは、レラの自宅で、初めての夜を明かした。小鳥のようにおしゃべりをして、獣のように求めあい、僕は童貞を捨てた。
魂は太陽を浄化した、聖なる、そう、聖なる聖母マリアの夜明け。夜明け近くだった。僕はまどろみの中で夢を見た。それは、サニー。君だ。僕と一緒になってくれたら、と言った瞬間に僕は目を覚ました。隣に眠る、レラの横顔を見た。すると、サニーになっていた。
「サニー……」
僕は、静かに眠るサニーの横顔、その薔薇色の横顔に薬指で、そっと触れた。月明かりの中でも、そう、僕には薔薇色に見えた。
そして、離した。すると君の目尻に光る雫を見つけた。
僕はその雫に、キスをした。
リスが出てきた。
僕はサニーと手を結び合う。
「ニコ」
とリスが瞼の裏で笑った。
するとサニーが笑った。
そしてレラとサニーは入れ替わった。
孤独な福音。
すると、月下のホテルに青いアルルカンがいた。
僕らは、異次元の中で、渦を巻くハートマーク。
そして愛の嵐。僕は起き上がった。冷蔵庫からブラックコーヒー、UCCのブラックコーヒーを取り出して、コップに注いで、グビッと喉を鳴らして飲んだ。
アルルカンの絵に魅入った。シャガール、これはきっと本物の絵画だ。
僕が一人で、月明かりを頼りに、アルルカンと話していた。呟くように、呟くように、歌う。ボブ・ディランのハリケーンを。すると、ヴァイオリンの音色が聞こえていた。背後を振り返る。僕のつぶやきに合わせて、サニーがヴァイオリンを弾いている。「好きだよ」というフィーリングだけで、好きになる。そこで朝を迎えた。
そこには、サニーがいた。食事の用意をしていた。トーストにバターをたっぷり塗って、イチゴジャムを重ねて、ミルクを飲んだ。そしてナッツを食べた。また愛し合った。僕らは月下のホテルにいた。サニーの肩にリスがいた。
リス、キス、好き。
と誰かが言った……。
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