47話 効率的な戦い方
-ダリア一行-
ダリアらも、上位
「上位
ダリアは的確に指示を出す。これは、ダリアが最も兵士らの強さを把握できているからに他ならない。そして兵士らはダリアに絶対の信頼があるので、その指示に安心して従うのだ。
ダリアの剣の威力は凄まじい。一度剣を振ると、まるで暴風が襲うように下位
装甲が硬くなった上位
それだけの力を持っていながら決して傲ることはなく、厭わず人のために使う。
これがレグリス王国兵士長の強さである。
「ともにこの戦場を乗り越えようぞ!!」
「「「おぉぉぉぉ!!!!」」」
* * * * *
レグリス王国の人間たちが必死に戦っている一方その頃――。
「はい順番に! 順番にー! 後ろのお客様は押さないようお願い致しまーす!」
と、大繁盛しているスーパーの店員のような対応をする俺。
この大変な時にふざけているのか、だって? いやいやいや。至って真面目に戦っているとも。
俺の正面には
そして
立方体にはセシリーが待機しており、ある程度
「よし、始めてくれ」
俺が指示を出すとセシリーは頷き、指揮の構えをとった。
「‥‥‥《
刹那に立方体の空間をセシリーの無数の刃が走り回る。閉じ込められて窮屈な
――ほら、真面目に戦っているだろう? セシリーが。
セシリーの
ヘルブラムと戦った時は、何度も強力な刃を走らせていたので体力の消耗が激しかったが、今回の相手はそんな屈強なパワーバカじゃない。常に空間を走る薄い刃でさえ
セシリーはあっという間に立方体内の
「‥‥‥どうだ?」
俺はセシリーに尋ねる。
「とても楽に倒すことができます。素晴らしいですヒロト様」
セシリーは素直にそう答えてくれた。さっきまで俺の手を必要とせず、自分だけでどうにかしようとしていたからな。
うむ、良かった良かった。
「さすがだな、ヒロト様。俺にもその空間を用意してくれないか? より早く
横で見てたターギーがそんなことを言い出した。
「大丈夫か? まとめて倒せはするだろうが、肉弾戦だとかなり疲れると思うぞ?」
「俺の体力を甘く見てくれるな! 必ずお役に立ってみせる!」
「そうか。‥‥‥よし、頼んだ!」
ターギーは何でもできて、マジで頼りになる。俺はターギーのためにもう一つ立方体の空間を作ることにした。
「了解! これも労働、金のため!」
‥‥‥それがお前の口癖なんだな。
俺は
しばらくして二つの空間に
ターギーが居る空間を見てみると‥‥‥。
「行くぞっ!」
ターギーは即座に
おいおい、大丈夫なのか!?
俺が目を丸くした次の瞬間――
「おりゃあぁぁぁ!!」
ターギーの叫び声が上がるとともに、彼を覆い尽くしていたはずの
中央には、大の字で万歳をしているように身体を伸ばすターギー。‥‥‥一体何が起こったんだ。
吹っ飛ばされた
「どうだろう、ヒロト様!」
ターギーは俺に感想を求めた。俺はあまりよく理解できていないので、苦笑いをして
「す、すごいな」
と一言伝えた。
「ようし、この調子でどんどん行こう!」
ガッツポーズをして気合い十分のターギー。体力の心配はまったくの無用だったらしい。元気なヤツだなぁ‥‥‥。
「――ヒロト様!」
今度はセシリーが声を上げた。
「どうしたんだ――――って、あれ?」
セシリーは強い眼差しでこちらを見つめていた。俺の目は点になる。‥‥‥あの、セシリーさん? その熱い視線は何??
「私はもっとやれます! より多くの
おっと‥‥‥、これは。
どうやらセシリーはターギーに対抗心を抱いているらしかった。負けず嫌いなのだろうか? なんかまた面倒なキャラクター相関図ができそうだな‥‥‥。
「お、おう。無理はするなよ‥‥‥?」
「心得ております」
――この調子なら無事に
この世界は俺が昔居た世界とは違って、時間にばかり縛られていないからな。無事にダラダラできればそれが一番なんだ。
――何なに? お前はさっきからダラダラしかしていないじゃないかって? ダラダラするという無駄な時間に縛られているじゃないか、だって?
何を言うか! このダラダラこそが最も有意義なのだよ!
――さ、サボってなんかないし! ちゃんと
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