日記

無害なカナダ

日記 道尾秀介さん 龍神の雨

道尾秀介さんの書かれた『龍神の雨』というタイトルの小説を読みました。

これぞ小説という感じでとても面白かったです。

伏線を探しながら、謎を解きにかかるというのも楽しいですが、作者に翻弄されぶん回されるという楽しみもまた味わい深いものです。

どんでん返しという言葉では甘っちょろい、もっと目の前の風景が瓦解するような衝撃を得ることができました。

完敗というのは清々しいものです。


ストーリーだけでなく、特筆すべきはその文才です。

決して優しくない、人の醜さであったり、理不尽さを白日の下に引きずり出す痛烈な心理描写。しかしながら、この小説はそれだけでは終わりません。

この物語を見届けた人は、きっと残酷な真実がただ残酷なだけではないことに気付くでしょう。

人を呪うことも出来るなら、きっと私達は


久々の読書でこれだけの経験が得られたのは僥幸でした。

次の出会いを楽しみに、私は表紙を閉じることにします。

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