晉陽の攻防戦
一方で、
その趙襄子のもとにも智襄子から使者がやってきました。
「
智襄子からの使者は口上を述べました。
蔡については
しかし藍台の宴に出席していなかった趙襄子は、その求めを断りました。
智襄子は、
趙襄子はどこを拠点とし、智氏、韓氏、魏氏などの軍を迎え撃とうか迷いました。
「敵が攻めてくる。どこへ行けばいいだろう」
あるものが言いました。
「
趙襄子は考え込んでいるようでした。そして趙襄子は長子を選びませんでした。
「城壁が分厚い、ということは、それだけ住民を酷使してそれを作ったということだ。隙間ないまでに城壁を整えたならば、長い労役に疲れて倒れたり、死に至ったものもおろう、
そこで別のものが言いました。
「
邯鄲とはのちに戦国七国の
しかし趙襄子は首を縦に振りませんでした。
「民の血と、汗と、
そして趙襄子は言いました。
「晉陽には
そして晉陽の城は趙襄子を迎えることになったのです。
晉陽は守りを固め、趙襄子を迎え入れました。
智襄子と魏桓子、韓康子の三氏の軍は取り決めを交わし、堤を作って
晉陽の命運もあとわずかばかりに見えましたが、城攻めは時間を費やし、城の士気は盛んでした。
智襄子は、魏桓子と韓康子を、ある日物見に誘いました。
三人は馬車(戦車)に乗りました。魏桓子が
智襄子が二人に答えました。
「そうですなぁ、私はそう、今になって初めて、水が人と国とを亡ぼすことができることを知りましたよ」
魏桓子は密かに
「魏桓子の拠点・
そんなことを言うことがどれだけ危険かということを、知っていたからです。
「韓と魏は謀反を考えられているのではないでしょうか」
「どうしてそのようなことがわかるのだ」
「人の心情というものは微妙なものでございますから。
韓と魏の兵を従えて趙を今攻めております。もし趙が滅びたら次はどこかと申しますと、必ず韓と魏に難が及ぶのではないか、そう人は考えるものでございます。
今、趙に勝とうと盟約を結び、その土地を三人で山分けすることになっております。莫大な利益が転がり込んでくるはずでございます。城はあと六尺の水を
そうであるのにお二方に
絺疵は真心を込めて智襄子に語りました。
しかし智襄子は納得がいきませんでした。智襄子は二人に絺疵の話をしました。
もちろん、二人は否定しました。
「これはあの嘘つきめが趙氏のために話したのでございます、あなた様を疑わせて趙氏を攻める手を緩めよう、そう図ったのでございます。
そんなことあるわけがございません。われわれ二人がどうして趙氏の土地を分ける利益に預からないで、なすべきではない危険な謀反を図りましょうや」
智襄子は納得し、二人は各々の陣地に帰りました。
絺疵が青い顔をして帰ってきたのはそのあとです。
「どうしてお二人に、先ほどのお話をなさったのですか」
今度は智襄子が驚く番でした。まだ何も話していないのに。
「お二方が帰られるのにお会いいたしました。まるで私を見るのに
人々は間もなく、絺疵が
そして絺疵は難をさけ、智氏は迎えるべき時を迎えたのです。
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