第5話 よくある日常

「一応仕事を任されたら大人という扱いになるからね。」


「へいへい。これが給金だ。いつも通り綺麗にしてから帰れよ。衛兵共にまた怒鳴られる。」


「ありがとう。」


 僕の仕事は毎日の町の清掃だ。元々は実力が低い冒険者の救済措置として、冒険者ギルドに委託しているらしいのだが、基本的に冒険者は薬草採取や一番低い等級の魔物を狩ることによって生計を立てている。まあ、こっちより薬草をとっていたほうが報酬とかはいいからね。


「それにしてもクリュスは物好きだね。こんな所の監督なんて。」


 使った道具をかたずけて、自分の荷物を調べる。


「まったくだ。とんだ貧乏くじを引かされたもんだぜ。」


 クリュスの冒険者ランクは知らない。ちなみに、冒険者ランクはF~Sになっており、高ランクになるほど難易度が高い依頼を受けることができる。

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