第55話 化け物、
「そう、お前たちはついていない。 俺に出会った瞬間にいの一番に逃げるというのが唯一の生き残れるかもしれない可能性がある選択であった。 しかも恥も外聞もかなぐり捨ててただ逃げるこだけを考えて動いてさえいれば、そうだな、一パーセントくらいは逃げれたの思うぞ。 そして、特にお前たちがついていないのはこれが試合でもなく、ルールも何もないただの殺し合いだという事だな。 まぁ、俺に出会った事を神にでも呪うんだな」
そして少女に師匠と呼ばれた男性がそういうと、族たちは可笑そうに笑い出しすではないか。
「おいおい、いくらなんでもそれは盛りすぎだろう。 確かに今の俺たちはかなりやばい状態かも知れないがそれでも四割の確率で俺たちの内一人はここから逃げ出せると思うんだが? そう、お前を殺して……な……あが?」
そのうちのリーダーであろう人物が恐らくあえて男性を挑発して感情を揺さぶり正常な判断が少しでもできなくしようとしたのだろうが、話している最終で賊は急に倒れて動かなくなる。
「……貴様、何をした?」
その光景に私は一体何が起きたのか好奇心が湧き上がり、そして別の意味で何をされたのか賊も気になるのであろう。 自分達のリーダーに何をしたのか男性に恐る恐るといった感じで問いかける。
この時ばかりは賊に対して心の中で『ナイスッ!!』と心の中で私は叫んだ。
「知ってるか? 人間は空気中の二酸化炭素が二十パーセントを超えると数秒で死にいたるんだぜ? そう、このようにな」
「あぐぅ…………」
そして件の男性はそういうと、先ほど問いかけて来なかった方の賊が先ほどと同じように急に倒れて動かなくなるではないか。
「そして最後にお前を殺して終わり、実に簡単なお仕事だよ」
「ひぃ…………っ。 ば、化け物m………」
恐らく宮廷魔術師、それこそ絶色のダグラスであったとしても三名もの賊を相手にして、しかも逃げる事を大前提にした手練れの賊をこの倉庫の中という空間の中で一人も取り逃さずに対処する事などまずできないだろう。
できたとしても広範囲魔術を使用して私や周辺の建物を犠牲にしてどうにか賊三名を殺せるかどうかであろうし、賊に一度でもその魔術を防がれたらそれこそ逃げられて終わりであろう。
「あ、あなたっ!! 凄いんですのねっ!!」
そして私はついさっきまで賊に拉致監禁されてこのまま他国へ売り飛ばされる恐怖に怯えていたのが嘘のようなテンションで件の男性へと話しかけてしまっていたのであった。
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