来世ではIを伝えるよ、私へ。

羽星こもぎ

プロローグ

運命なんて信じない。

前世なんて分からない。

生きる事に意味を見い出せなくて、

それでも死ぬ理由なんてなくて。

「自分はなんのためにいるんだろう」なんて考えていた俺…いや、僕だった。


人は見えるものにしか名前を付けず、

見えないものは全て運命と名前をつけた。

そんなあやふやなものを必要以上に意識する君が与えてくれた数々の思い出が、

今こうして君を目の前にして蘇る。



時計の狂った針が、今、

たった今全て重なるように全ての言動、全ての行動の意図が見えるようで。

君の瞳に問いかけるように言葉を絞り出す。



「――――――――――?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る