☆思い上がり

 滑り落ちてきたプリントを眺める。数学の宿題プリントだった。花矢さんは毎日学校に残っているけれど、ちゃんと勉強してるんだなぁ……。

 えらい、と思ったけれど、さっきの仕打ちを思い返すとちょっと腹が立ってくる。そりゃあ、私も皆が花矢さんへ色々言うのを止めたりはしていなかったけど……私が直接したことはお父さんのことを聞いただけなんだから!

「それも、私の思い上がりなのかなぁ……」

 ゆるゆると息を吐く。本人にしてみたら、私も加害者だろうし。本音を言えば、憧れてるのだといえども。

 これからどうしようかな。花矢さんと話していることを、あの二人に知られるわけにはいかない。花矢さんには悪いけれど、私にだって世間体があるのだ。

 うんうん、と一人勝手に頷き、次の考えに移る。

 蛍石さんへの言い訳を考えなければ。

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