第39話 ノーザン帝国第三王子カール
🖼 ノーザン帝国第三王子カール
ララが戻ってきたので、報告を聞いている。
まず、あの第三王子の離れの屋敷には、魔法結界が張られている、ララは、平気で通れたようだが、普通の人間は、許可されたコインを持参して出入りしている。
屋敷内には、居たようだよ、胡散臭い連中が。ノ・ホーク盗賊団の拠点にもなっているようだ。しかも、屋敷から城外へは地下通路ができている。
盗賊団が、お城を拠点にしているのと同じだな。
『『
カール王子は、いつも屋敷の中にいて、盗賊団の連中と剣術の模擬戦をして暮らしている、王子の書斎が、盗賊団幹部の事務所になっていて、その中には、書類や、金貨の箱がたくさん、武器庫にもなっている、王子の寝室には、マジックバッグが一個ある、週に一回、お城の方の会議に参加している、明日がその日。
』』
・・・へえ? 盗賊団の拠点なのか? まあ、本拠地かな?
ララに「ありがとう」って言って、好きなメロンを出してあげた。決してペットじゃないよ、友達だからね。そうそう、明日の会議の「盗聴」もヨロシク、ってお願いしておいた。
では、僕も、直接、探ってみますか、カール王子を「鑑定」したときに、何の抵抗もなかったから、まあ、僕にも結界は効かないだろうけど、一応慎重に、王子の寝室のマジックバッグを対象にして、「魔力透視」してみる。
まあ、見れるな、問題無い、抵抗も無いな、中身は、
ノーザン金貨 10000枚
服装、装飾品、魔剣(火属性)、商業ギルドカード(偽造)、冒険者カードAランク(偽造)、宝物庫の鍵(偽造)、商船一隻、皇帝の錫杖(盗品)、・・・
ノ・ホーク交易商会の会員証(ゴールド)、
何というか、逃げるならこれを持って、というものだな。
あと何だ? ノ・ホーク交易商会? 盗賊団の仮の名前か?
ゴールドカードを与えられて、良い気になっている、って奴?
書斎の事務所を覗くと、金貨1000枚の箱が、6個、あとは、武器、剣や鎧など、しかも中には、帝都近衛騎士団のものも30セットくらいあるよ、これ、駄目なやつだよな。
そして、箱に無造作に収められた、書類、これらは古い書類だな、新しいものは、まあ、机の上に散らばっているのがそうだろうな? その中の一枚、見出しかな?
オリバー王国潜入計画、確かに半年後を目処としたものか、ノーザン内の商会の異分子の排除・統合計画、オリバー王国使者に対する対策案件、これについては、懐柔、誘拐、拉致、排除、殺害、暗殺、などで意見がバラバラなようだな。
あとは、オリバー潜入部隊からの報告に関する件、ここ2,3日、無連絡なこと、
・・・・
そろそろ、こいつらも動き出すんだろうな。一応、証拠になるかどうか?は、わからないが、隠滅されるのも癪なので、全部「複写」して「収納」しておく。
夕食は、僕は、騎士さんたちも含めて、執事さんたちと一緒に摂っている。
「部屋で食べるのですか? 私達と一緒に食べませんか?」なんて誘われたからだけどね。寂しく個室で食べるより良いかなとも思うし、何より、使用人さん達の手間が省けるしね。でも、僕は、何となくわかるよ、また、お菓子やケーキが欲しいんだろうな、って・・・
セリーヌの方は、カナデが護衛しているし、何よりここは第二王子の屋敷で使用人達に、悪意持ちは居ないから、まあ良いか・・カナデには、後で話を聞くときに、何か出してやろう。
ララには? まあ、ララは食べなくても良いんだけど、一応、希望を聞いて、ケーキと果実を部屋に置いてきたから、気ままに食べているんじゃないかな?
後で聞いたら、明日のお城の会議に、セリーヌも参加ということらしいので、その打ち合わせやら、何やらで、話題は豊富だったらしい、特に、第三王子への対処には注意を要するってことで、セリーヌのそばには立てないけど、お付きの騎士さんたちも張り切っているよ、でも、ここ、別の国だからね、張り切り過ぎないようにしなければ、だな。
夜、セリーヌに呼ばれたので行くと、本来、王都や帝都での護衛は依頼外なのに、いろいろ、情報をありがとう、って言ってくるので、まあ、それも、仕事って思ってますから、って言っておいた。カナデからいろいろ聞いているんだろうけどね、それで、メダルを一枚、渡しておいた。
こんなものですが、身辺警護の魔法効果がありますから、ポケットにでも、忍ばせて置いて下さい、ってね。
時間があったので、作っておいた、純金の小さなメダルで、妖精の模様を刻印してあるもの。効果は、「絶対防御」と「毒無効」。いざ、って時に守ってくれると思う。
効果の持続は、3日間としておいた。期限が切れれば、タダの「純金メダル」だよ。
名前は、「妖精の加護」メダルだ。
まあ、カナデが隠密警護しているし、ララも、密かに忍び込んでいるしね、このメダルの出番が無いことを願うけどね・・・
そういえば、もう一人いたよな、ケンシロウ、今どこ?何?をやっている?
「気配察知」して探してみれば、何と、帝都の市場を事細かく、回っているな?
何か、彼の気にかかることがあるのかな? 「鑑定」持ちだしね。
彼も、僕と同じで、自由、放任な立場だから、良いんだけれど、あいつ、ここに、何をしに来たのか?解っているよな〜 それとも、何か、大公の言いつけでもあるのかな? よくわからないな・・・
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