第36話 ノ・ホーク盗賊団、海賊詰め所
🖼 ノ・ホーク盗賊団、海賊詰め所
翌日、昼前には王都を出発した。オランド大公領に向けて、結構早足で馬車が蹴けている。さすがに、この馬車でも、揺れるし、尻が痛いよ。普通の速度で良いのにね・・・
ララに、「念話」する、この先、僕は、いろんな人に顔を見られることが多くなると思うから、ララにお願いすることも多くなるかもしれないけど、やってくれるよね?
「まかせて!」
それで、僕の予想だけど、屋敷の中の誰かが、手引したり、情報を外に流したり、いろいろやっていると思うんだ、カナデに当たらせているけど、ララも、注意しておいてくれるかな?
「わかった、ここからは、私、ララが主役!なのだ〜〜〜!!」
って、ものすごく張り切っているな、まあ、こういうのも良いかも。
「ねえねえ?あれも、ララが使っても良い?」
って、どうやら、「自白」「白霧」も使いたいらしい。
もちろん、使っていいから、付与してあげたんだからね、好きなように・・・
駆け足、早足のおかげか、もう、昼過ぎには、大公屋敷に到着した。
セリーヌが僕のことを、知り合いの魔道士です、って一応紹介してくれたけど、基本、平民なので、屋敷内で、セリーヌの横にも後ろにも立つことは無い、なので、与えられた部屋で気ままに過ごせるのが良いね。
「鑑定」
*オランド大公 66歳 先代オリバー国王 レベル180
スキル 真偽判定、自白強要、身体強化、
魔法 聖魔法、火魔法、
剣術 剣聖級 ・・・
なかなか、凄い人だよ、スキルは、どこかの伯爵と似ているな、まあ、僕には無効なんだけど気をつけておこう。
与えられた部屋で、「気配察知」で、ノ・ホークの気配を探す、・・・居るね、「執事見習い」君だね、いつからいるのかな? って、「詳細」では、4ヶ月前からここに居るようだ。
称号には、殺人は無いが、窃盗、詐欺、はある。盗賊団員だしね・・・
部屋にカナデの気配がするので、
「カナデ! お疲れ様・・・」
「もう、・・いつもバレちゃうんだから・・・」
で、どう?って聞けば、怪しいのは、執事見習いのボギーさん、4ヶ月くらい前に、ノーザン帝国の交易官僚の紹介状を持ってきて、雇われたという。
そら、出てきたよ、帝国の官僚が絡んでいるのか?
普段は真面目に働いているようだけど、週に一日の休みの日は、どこで何をしているのかはわからない、って、なので、僕の「察知」の結果を知らせておいた。
こいつが、大公領もしくは、王都に、仲間を引き入れる手はずをしていただろうことを・・・、カナデには、「ありがとう」って言って、スイカとメロンを渡しておいた。
この屋敷から、召喚隼が飛び立っていったが、そういえば、カナデって、「召喚魔法」を使えたんだっけ? あまり気にしていなかったが・・・
オルコット方面へ飛んで行くから、まず、間違いないだろう。現状報告だね。
まあ、この件は、カナデに任せよう、どうせ大公さんも、「自白強要」があれば、いろいろ事情もわかるだろうしさ。
僕は、僕で、オランド領を対象範囲にして、「気配察知」を強めに、盗賊団の潜伏している奴などを探している、もう、ここには居ないみたいだな。次に、港方面を同じ様に「探索」してみる。
漁師の住宅地の中に、一軒、気配の強いものがある。
詳細は、「ノ・ホーク盗賊団、海賊詰め所」。
なるほど、海賊専門部隊か? 現在、中に22人、見事に、全員、称号持ちだよ、殺人、窃盗、詐欺、誘拐。
家の中には、隠し部屋は無し、隠し金庫も無し、部屋の奥に、マジックバッグが2個ある。
「魔力透視」を使ってみた。
1個には、オリバー金貨5000枚、ノーザン金貨5000枚、あとは、10kgのインゴット、金、銀、銅、ミスリルが各10本、それと、交易、取引の明細かな?、と、取引先名簿、中には、人身売買の記録もある。
2個目のマジックバッグには、武器、防具、なんと、商船まで入っている。
さあ、ララにお願いしようか?と思って、肩の上のララをみれば、もういつでもOK状態だね、なので、「ララ、奴らをやっつけよう、全員無力化して、「自白」をかけて、「白霧」とともに、ここ、大公屋敷の中庭へ「転送」、やれるか?
「やれるよ! 行ってくる〜」って消えた。
なら僕は、ララの攻撃を待って、1個目のマジックバッグを回収しよう。
「空間把握」で、様子を見ているが、全く危なげなく事もすんで、あとは、「転送」なんだけど、無力化は、「気絶」を使ったか、あれも良いな、で、「自白」をかけて、「白霧」とともに、全員を「転送」で、・・・終わりだ。
念話で、「オツカレサン」って言う前に、もう戻ってきて、肩の上にいるよ、「良かったよ、あれ、「気絶」もイイね!」って言ってあげたら、
「へへ、どんなもんだい? ララだって出来る娘なんだからね!」って
あれ、「出来る娘」ってどこかで聞いたな? 誰の記憶?
*魔力透視: マジックバッグなどの魔道具に対して、僕の魔力をぶつけて、一時的に所有者変更をして、「解析」出来る状態にする。「魔力透視」を解除することで、元の所有者情報に変更される。
(こういった、小賢しい?魔法を作るのって、楽しい!)
さあ、あと、オランド領に残るノ・ホーク盗賊団員は、執事見習いのボギーさんということだな、大公たちのお手並み拝見、としますか・・・
ついでに、ノーザン帝国の交易官僚も、探られることにはなるだろうけど、一応、下見しておくかな? あれ? 名前は誰?だっけ???
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