第35話 護衛任務開始
🖼 護衛任務開始
じゃあ、こちらも護衛任務を果たすとしよう。
朝も早くに、オルコット領の西門前に来い、ということで、そこで馬車に乗り込んだ、馬でなくてよかった、あれ、お尻が痛いんだよね。
今回は、何事もなく、早めに、王都のオルコット屋敷に到着したので、僕は、この後と明日も一日中、非番になった、自由行動可能なのだ。
セリーヌは、前の盗賊たちの取り調べ調書などの閲覧などだな。
ララを連れて、というより、いつも僕の肩の上にいるんだけど・・・、今、王都上空にいて、「気配察知」で、悪意、敵意を「探査」している。ひょっとして、連中が既に、王都まで入り込んでいるかもしれないしね。
おおむね、ノ・ホーク盗賊団特有の魔力反応は掴めているのだが、とりあえずは、一般的な悪意などの気配を探る。普通に、いろいろ居るけど、絞り込んでゆけば、数は少ないけど、居る。
ノー・ホークの連中だよ、市場に2人、衛兵門に1人。
市場は、交易商人を装っている、衛兵門は、何だ? 衛兵として入り込んでいるのか?
とりあえず、3人を対象にして、「催眠」をかけて、即、「転送」してやった。
周りの他の人たちは、びっくりだろうね、急に人が消えるのだから・・・それで、「転送」した場所は、どこでも良かったけど、鉱山ダンジョンあたりの山の中。
そこで、「捕縛」をかけて、「催眠」を解き、「白状」させる。
いろいろ話してくれてるよ、半年後くらいにやってくる仲間たちのために、現在は、王都で地盤づくりの先兵隊のようだな。
このまま、「白霧」とともに、王都東門、衛兵門前へ「転送」する。
そろそろ、大公領でも、これから王都でも、いろいろ騒ぎになりそうだし、僕は、王都の伯爵邸内に与えられた部屋に帰って、大人しくしていよう。
「転移」で、王都の中央市場に移動して、そこから、いろいろ、お菓子や、ケーキ、果物などを、ララの求めに応じて買い回って、歩いて、オルコット伯爵邸まで帰る。
執事さんに挨拶して部屋に入る。セリーヌに言って、屋敷内では、僕達に気を使わないで、放っておいて欲しいってことになっているから、使用人達が入ってくることもないので、平穏、静かな部屋だよ。
「収納」から、いろいろ出して、と言っても、ララは、いくらなんでもそんなに食べれないからね、適当にあげている、「空間把握」で、いろいろ見ながらね。
ノ・ホークの残党で、潜伏しているであろう奴らには、特に大きな動きは無いようだな、もう、居ない?のかもしれないけど、まあ、騎士さんたちや、衛兵さんたちが、走り回って大変そうだけど・・・
うん?大公領でマッピングした連中が、動いているな、夕方の連絡船に乗り込んでノーザン帝都へ逃亡するつもりだろう、バラバラだったマークが、港に集まってきているし。
船に乗り込まれると何かと面倒っぽいので、その前に確保しよう。
マッピング画面をみながら、各マークを選択して、全部で5人、それらを指定して、「催眠」「白状」をかけて、「白霧」とともに大公屋敷の中庭に「転送」する。さあ、これで、大公領からは、居なくなったよな? 隠れてて出てこない奴もいるかもしれないけどね。
セリーヌも伯爵邸に帰ってきたようだよ、使用人たちが迎えに出ているし、まあ、僕は、部屋でゆっくりさせてもらってれば良いからね、なんて思っていたら、セリーヌから呼び出しで部屋に来い、っていうから、護衛の身ではね・・・イヤとは言えないので、行くよ。
まだ、自分の着替えも終わってないのに、呼び出したようだけど、何?かな。
なんでも、今日は、騎士団の事務室で、先に捕縛された、ノ・ホーク盗賊団の取り調べ調書などを閲覧などしていたのだけど、その最中に、新たに、ノ・ホーク盗賊団の数人が捕縛された、ってこと、しかも、その数人は、すでに、長い間、王都に入り込んでいた連中だったこと、王都の衛兵まで居たこと、などを、興奮ぎみに話してくれたよ。
まあ、知っているんだけど、「そうですか?」って、初めて聞くフリをして聞いていた。それで、重要なことは、半年後に、ノ・ホーク盗賊団が、オリバー帝国に根を下ろすべく入り込む計画があるらしい、ということだよ。
王都の数人のこともあるし、もう既に、それなりの数が入り込んでいるとみている、っていう騎士団の見解らしいよ。
併せて、これから僕達が立ち寄る、オランド大公のところでも、大規模な、ノ・ホーク盗賊団の摘発、捕縛があったようで、あそこは、港も近いし、多くの盗賊団が既に入り込んでいたということだ。盗賊団の支部まで出来ていた、というのだから・・・って、生情報だからか? かなり、熱を帯びているな。
なので、明日の予定を変えて、午後には、オランド大公領へ向けて出発したい、っていうから、「わかりました」って答えておいた。
早いうちに、オランド領でのことも、詳しく知っておきたいんだろうな。
与えられた自室に戻ってきて、水代わりの果物を食べながら、ララに、
「こんな感じで進むけど、面白くはないだろ?」って聞いたのだが、
「うん?、とっても面白い! ヒロシは凄いね、いろいろやって!・・・」
っていう答えなので、まあ、退屈はしてなさそうだし、良いのかな?
「ララも、もっと手伝える?よ・・言ってね!」 だってさ。
「気配察知」で、召喚鷹がオランド領に向けて帰っていくのがわかる。なるほど、オランド大公が、こちらに、わざわざ知らせてくれたんだな、ついでに、早めに明日にでも来い、っていうことだろう。
「カナデ、いるんだろう?」「・・・・もう・・・」
って、何で、いつも、解っているのよ〜なんて文句を言われながらも、メロンを出して、お願いをしておいた。
明日行く、オランド大公のところの使用人や屋敷内を少し探ってみて欲しい、と。
「気配察知」で、弱いけど、感じるんだよね、あの大公屋敷の中から、誰か一人いると思うんだ、ってカナデには言わないけどね・・
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