第18話 未公開ダンジョンの調査  

🖼 未公開ダンジョンの調査 


ギルドの隣の食堂に居たアンジーに捕まって、昼食を奢らされたよ、ついでにダンジョン行くから付き合って欲しいってさ。

そういえば、この領地にもダンジョン、あるのか?

どうやら、この領の北の山の麓に、入り口が最近出来たらしい。まだ、公開前の調査段階のもので、現在、Bランク以上が調査で入れるようなのだ。

まあ、そういうことなら行ってみようか。一応、受付で「ダンジョン入ります」って登録が必要なようで、手続きをしたよ。


どうやって行く?  「歩き」

何かスキルあるの? 「無い」

ここから何分くらい?「さあ、1時間もあれば?」

まじ?       「うん、本気」


まあ、歩きますか。北門からまっすぐ、近くまでは道があるみたいだしね。

歩きながら、前にあげた指輪の具合を聞いてみたが、文句は無いようで、容量が一杯でもう入らないなんてことも、一回も無い、っていうから、良かったよ。「容量・大」って結構、大きいのかな?


ま、そのおかげで、ふたりとも手荷物なんて無いから、ほとんど手ぶらで楽なものだ。途中出てくるゴブリンなんかも、チョイチョイって狩りながら、思ってたよりは早くダンジョンの入り口に着いた。


僕は、「空間察知」でダンジョンを周辺も含めて探索する。

5階層、確かにここの地下には魔力の大きな流れがある。しかもこれ、静香別荘の裏の山岳方面からここへ流れ込んでいる地脈? つまり北西方面から流れ込んできて、それで、ここを拠点に方向を変えて、ここから北東方向へ流れていっている。この地脈の流れのところにダンジョンが出やすいってことだろうな。


1階層 草原エリア、小川が流れる、スライム、ゴブリン、魔狼、

2階層 池、沼エリア、魔カエル、魔トカゲ、魔ワニ、リザードマン、

3階層 廃墟エリア、アンデッド、ゾンビ、スケルトン、

4階層 廃墟、森林エリア、オーク、オーガ、スケルトン・キング、

5階層 夜エリア、古代宮殿、リッチー


どうやら、アンデットのダンジョンだね、この辺りで、昔、戦争でもあったのかな?

だいたい調査は終わったので、アンジーにも、そう話して、帰ろうか?って言ったんだけど、せっかく来たんだし、許可までもらったから中に入る、っていうので、まあ、僕は手を出さないから、好きなように、って伝えたよ。


「いいけど、ヤバイときは、お願いね〜」って、軽く言われてもね〜〜


こいつ、アンデッド対策できているのか? まあ良い、付いていこう。

1階層、全く問題無し、まあ、ダンジョンだからか? 倒すと魔石だけを残してダンジョンに吸収されていくので、もし素材などが欲しければ、消える前に回収するとか? が必要だね。


2階層、大きな沼にトカゲもワニも沈んでいて、なかなか攻撃しにくい、沼の真ん中に一本、これみよがしに通っている細い道だけが先に進む方法だから、当然、その道の両側からの奇襲攻撃がメインになっている。魔蛙が水を飛ばしてきて沼に落とそうとしてくるしね。アンジーも、苦戦しているな、僕の方をチラチラ見てくるし、これ、「助けて!」なのかな?


アンジーに、水から離れるように言ってから、沼に向かって「感電」を流す。

感電した、蛙、鰐、蜥蜴が腹を出して浮いてきたので、それらを、アンジーが仕留めて前に進む。リザードマンが、沼の浅瀬をバシャバシャ走ってやってくるが、今度は冷静に、緑魔法の「蔓束縛」で足を絡め取っては、魔弓で仕留めている。ちょっと、範囲攻撃手段が弱いのか?って思っていたら、「水刃」がビュンビュン飛んでいって首を狩っている、立っている敵は居なくなったよ。ここは、魔石は出るけど沼に沈む前に取っておかなければ魔石も沈んでいってしまうな。


広く範囲指定して、「魔石回収」で、すべての沈んでいく魔石を回収する。

リザードマンの素材として革も売れるので、まだ沈んでいないリザードマンを回収する、8体収納できた。


さて、3階層は、アンデッドだよ、どうする?って聞いたら、

「今日は、ここまでにしておく、早く、報告したほうが良いよね〜」っていうから、帰るんだね。

僕は、リッチーに会ってみたかったけど、まあ、今日は一緒に帰ろう。また来れば良いしね。


また、1時間かけて、ギルドに戻ったよ。ガントさんへの報告はアンジーに任せて、僕は、解体のゴンスさんのところへ、リザードマン8体の半分の4体を解体、素材買い取りを依頼した。買取明細を書いて貰ってギルドの中に戻る。

ガントさんとアンジーが出てきたので、アンジーに魔石を半分渡そうとしたら、半分はもらいすぎだから、30%で良いっていうので、じゃあ、まあそういうことで、リザードマン魔石4個、魔蜥蜴、魔鰐、魔蛙の魔石を、各30個、出して渡しておいた。

あとは、今、解体に出してきたリザードマン4体の素材買取明細を渡して、分け前はこれで良いか?って聞いたら、大きくうなずいているので、今日の依頼完了となった。アンジーは、さっそく買取の受付に走っていったよ。僕は、ガントさんに呼ばれて部屋へ。


まあ、僕が感じたダンジョン地脈の流れと、今後もダンジョンが現れるならこの地脈上だろう、って伝えておいた。ついでに、あのあたりって、昔、何か大きな戦争でも起きたのか?って聞けば、確かに、300年くらい前には、山岳地帯を超えてきた北の隣国(今の北の隣国の祖先)に、攻め込まれたときの戦争だろう、って歴史があるそうだよ。

そんなのが原因でアンデッドなのかな? 想像だけど・・・


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