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二人が衝突した衝撃で、地面が抉られる。
数秒の間、二人は無言で戦い合う。力自体はお互いに拮抗しているが、少しずつ俺の体にガタが来始める。
「「ははっ!」」
「「なにが面白い」」
「「そちらの体はもうボロボロのようね! 長期戦は、こちらに有利よ!」」
彼女の言う通り、精霊の降臨に体が耐えかねている。いくら体を魔力で強化しても、操作レベルの低い俺では魔力の通りが悪い。
「「――なっ!」」
唯一右腕だけ魔力の通りがいいらしく、うまく意表をついて攻撃を仕掛ける。
笑う。
こちらの表情をみて、彼女が怒る。
そんな些細な喧嘩。
そんなことでさえ、ここ何年もしていなかった。
「「楽しいな!」」
「「うるさい、死ね!」」
離れた期間が長かったからか、恋人というより、友達との喧嘩に近いかもしれない。それでも、彼女と離れてから感じることがなかった充足感に、今包まれている。
だからこそ
「「あの時はすまなかった」」
「「――いまさらっ!」」
そう、今更言っても仕方ないこと。この謝罪は自己満足かもしれない。ただ俺は、あの時のことを断ち切らないと前に進むことができない。だから俺はここで彼女に告げる。
世界樹を構える。
この武器は、精霊にもダメージを与えられる武器。
「「これで許してくれないか」」
その槍で、自分の右腕を斬り飛ばした。
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