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お兄様以外、みんなゴミだ。
村人の性格がゴミなのは言わずもだが、今こうしてお兄様が魔物化した男性も、自分が上の立場にたったら欲望をむき出しにしている。
「これでいいんだ」
「そうなんですか?」
「ああ、これでもう引き返せないところまで堕ちた彼は、こちらの言うことをききやすくなる。今の環境を、手放したくないだろうしね」
さすがです、お兄様!
そんな、人間の醜いところまで理解した上でコントロールできるお兄様は、やはり流石だ。
「だけどお兄様、これで戦力の増強ができるんですか?」
「彼にはゴブリンの指揮官になって、ゴブリンを指揮してもらおうと思ってる。拾ってきた村人もゴブリンの苗床にして、数を増やす予定だよ」
さすがです、お兄様!
その一切の慈悲もない決断に、惚れぼれする。これだけの決断をあっさりできてしまうお兄様は、やはり流石だ。
あーあ、ゴブリンもさっき男性が入った小屋になだれ込んでいる。くさいので離れよう。
「男はどうするんですか?」
「食料を作らせて、ゴブリンのために働いてもらおうか」
さすがです、お兄様!
私たちに従順になれば飴を。反抗的な態度には鞭を与える。そんな飴と鞭を使い分けれるお兄様は、やはり流石だ。
私は改めて、兄の魅力に魅了されていく。
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