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「なんで俺なんだ?」


「そりゃあ、あんたドラゴンだからだよ」


いやその、常識だろ? みたいに言われたって知らないよ。助けを求めて受付を見る。


「ドラゴンは鱗がとても硬くスピードタイプの技があまり効果がありません。それを超越するくらいレベルがあれば別ですが……」


「今回のドラゴンは推定300レベルは超えてるかな。だからこの街のやつらじゃあ無理ってことよ」


300って……俺だって無理だよ。


「あくまでやって欲しいのは周りの露払いさ。本命は私がやる。ただそれでもある程度パワーがいるもんで、あんたに声をかけたってわけさ」


「なんで俺がパワータイプだと知っている」


どこでバレた?


「いやどうみてもパワータイプでしょ。装備も、武器も、それに男だし」


なんだよ見た目かよ!


「それに、ここの貴族様にも聞いてたんだ。ギルドに通ってる変な男がいるって」


あのクソ女!


「貴族様も褒めてたぜ、初めて見る貴族に恐れず、喧嘩っぱやい男だってな」


あいつ、今度会ったら喧嘩売ってやる。そう心に決意する。

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