結婚阻止計画とふれあい
あれから、家に帰ってきた俺たちは早々に例の件について話し合っていた。
「...ていう事で、三か月後年明けすぐに式を挙げてそのまま籍を入れるらしいです」
「....そっか。おばさんに今までされた事言ってみたらどうかな?...先輩としてはそんな女の敵みたいなヤツって結婚後判明する方が悲惨だと思うな?」
それは全くその通りだろう。
だが、俺は怖いのだ。
もしかしたら、おばさんと常に一緒にいれる俺に嫉妬してあんな態度を取ってしまったのかもしれない。
もしかしたら、俺の人を見る目がなくておばさんや他の人にとっては魅力的な真人間なのかもしれない。
そもそも、おばさんの青春を奪ってきた俺にこれ以上彼女の人生を壊す権利はあるのだろうか。
仮にあの人が人格的に問題があったとしてもおばさんが幸せなのならば、それでいいのではないか。
いくら考えても押し潰されそうになる程の罪悪感と恐怖心によって答えは出なかった。
「それはわかってるんですけど...」
七海先輩は答えが求められず、戦慄からか震えている俺に右手を強く握ってきた。
冷え性なのか、ひんやりとそしてスベスベとしていて自分の物とは全く違った。
「...大丈夫。私はずっと君の味方だし、君の周りの人だってきっとそうだよ。だからさ、私もついて行くから一緒にさ...ね?」
七海先輩は両手で俺の右手を包み込んできた。
どこか懐かしい暖かさが右手に色がる。
「...それが最善策だと頭ではわかってるんですが...怖くて」
本当に情けない。
なよなよとしている自分の頬を引っぱ叩いてやりたいほどには情けない。
「私が居るから大丈夫だよ...!」
七海先輩俺の頭を抱きしめるようにハグしてきた。
そのつもりはないのだろうが、豊かなが動くために当たってくる。
そして、人にハグし慣れていないのか少しばかり苦しかった。
でも、何か満たされるような不思議な感覚だ。
「...ずっと、私は君といる。っていうかいたい!...だからさ、二人で頑張ってみたい...?」
七海先輩は俺に保険とやる動機をくれた。
ならば、俺はそんな友達を裏切るわけにはいかない。
「よろしくお願いします...!」
これは茨の道の道だ。
だが、これ以外に自分の求める解がないのならば、リスクも覚悟で挑まなければならない。
「先輩が居るからには大船に乗ったつもりでいいよ~!...っていうか、自分勝手な大人に一泡吹かせてやろうよ」
七海先輩となら、いける気がする。
俺はもう、一人ではないのだ。
「はい!...それはそうと、そろそろ離してくれませんか?」
「何が?」
七海先輩は眼を見開き首を傾げた。
「...当たってるんですけど」
七海先輩はやっと気づいたのか顔を紅色にし、あわあわと俯いてしまった。
「...ばか。いつも照れまくってるくせに...」
ということで、色々とあったものの俺と七海先輩は明日、おばさんに直線話に行くことにしたのだった。
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