第12話 主人公と彼女の性別も変更できると最高ッス!
「なるほど。乗っとられが最後の山場だったわけか。それにしては鬱展開過ぎないか?」
「リアリティを追求してみたッス!」
「そりゃリアリティもいるけど、むしろ二次元ならではの楽しさがいるだろ? せっかくのヒロインも見せ場が少ないし」
「あ、それはッスね。まず百の試練を乗り越えてもらう間に彼女の設定がユーザー好みに決まって、18禁モードに入ってからがお楽しみッス!」
「ひゃく?」
「百ッス!」
「彼女がらみでイラッとしたりモヤッとしたりな出来事を百回?」
「そうッス! その間にユーザーの好み通りの彼女になっていって、それをクリアできれば、あとはもう、思うままにやりたい放題ッス! お楽しみが待ってると思えば、鬱百の試練くらい安いもんッス!」
「……鬱展開なんだ?」
「もう、彼女にはオレっちがいないとダメだ! って、囲いたくて仕方がなくなることうけあいッスよ!」
「ユーザー病ませてどうすんだよ! まぁ細かいところは今はいい。この、『ブリーダー』ってのはなんだ?」
「それはッスね。神様とか妖怪とかそういうのを集めたり強化したりするッス」
「あぁー」
「ポケ○ンとか女神○生みたいな」
「わかった! わかったから名前を出すな!」
「はいッス!」
「結局のところ、乗っとってたのはなんだったんだ? なんでヒーローは現れなかったんだ?」
「乗っとってきたのは、みんなの不安の集合体ッス。この世界は不安も形になるんで、他のみんなが意識しないけど感じてる『なんとなく世界が変だな』や、主人公の『馴染んでるみんながうらやましい』って気持ちが乗っとりを引き起こしてるッス! だから、乗っとってる存在自体に個人的な意識はなくて、勝手に広がっちゃう病気みたいな感じッスね。無理させ過ぎた世界の自衛で自動自爆機能みたいな? あ、オレっち今メチャうまいこと言ったッス!」
「……だから、⑥真相で主人公の心が折られるのか」
「そうッス! ⑤乗っとられパートで、主人公はそこそこ地位を上げていくなかで、仲間もできて、この世界にも馴染んでいくんスけど、最終的に、乗っとられの原因は自分の見えない腕だったと理解するわけッス」
「うわぁ……。そりゃ心も折れるな。ちなみに、trueENDにいける条件である、⑥真相で猫の話はどうやって開くんだ?」
「まず、本来の猫は、ただ力ある存在だったんスけど、物語に出てこない一回目の主人公がなんでもかなう力を手に入れて色々やらかした後に、アシストする存在がいて欲しかったと願って、自分自身をアシストするために猫と意識を共有することを望んでいたっていうのが猫の話なんス」
「なら、最初に主人公が、なにか夢をみていた気がするけど思い出せないっていうのは」
「すでに何回目かのやり直しループだけど、やり直すときに自分の記憶を消していたって設定ッス」
「だから猫は棒読みなのか……」
「何回も失敗して繰り返すの見てたらそうなるッスよね。猫の話はそんな裏話なんで、できれば全ルートクリアしてから解放させたいんスけど」
「全ルートは鬼過ぎるだろ!」
「ッスね。彼女ルートはボーナスみたいなもんだから、それ以外をクリアしたらって感じッスかね?」
「それでもけっこう鬼だな」
「そうッスか? こんなもんじゃないッスか?」
「んー、あと、タイトルの『ライフハッカー』ってなんだ? ライフハックは効率良い仕事術とか生活術のことだから、主人公の願いが『思っただけでかなう』からか?」
「違うッス! 乗っとりを働く集合体の名称が『ライフハッカー』なんス! 命であるライフを悪い意味でハックされるから『ライフハッカー』ッス!」
「ニュアンスはわからんでもないが、高校生なら、『オレ超効率いいぜウェーイ』な感じに受け取るんじゃないか?」
「どうなんスかね? オレっちは『ライフハッカー』って聞いたら、なんかサバイバルな気持ちになるッスけど」
「ふうん。まぁ同名のサイトがあるから、このタイトルは没な!」
「うぅッス!」
「まぁ初めてにしては頑張ったな! ちゃんとまわしておく!」
「おねしゃッス!!」
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