第10話 ホラーゲームみたいなパニック映画みたいな

 変な色の猫が言うには、あのアナウンサーはすでに乗っ取られていて、さっきは仲間を増やしていたらしい。


「ゾンビな感じ? いや、吸血鬼? 宇宙生物のほう?」


「んー。まぁそんな感じかな」


 ちなみに、ゾンビものも、吸血鬼ものも、宇宙生物ものも、なんなら怪獣ものも、すでにあちこち出現済みだ。


 でも敵が出現するのと同時に、敵と対を成すヒーロー的な存在が人々の中から現れて颯爽と退治してくれるので、特に問題になったことはなかった。


 今回のも、今までと同じように、すぐにヒーロー役があざやかな解決に導いてくれるのだろう。


 でも、なぜか、1週間たってもヒーローらしき人物は現れなかった。


 未知の敵に世界は団結し、乗っ取りに備える新しい組織が作られ、なににもなれていなかった俺は、その末席に入ることになった

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