なんてことないOLの異世界奮闘記

司馬波 風太郎

転移は唐突に

「ふう、やっと終わった」


 私は業務で使用していたパソコンの電源を落として仕事を終わりにする。それから大きく伸びをして、固まった筋肉をほぐした。


「お疲れ、霜月さん。こんな遅くまで手伝ってもらってありがとう、後は私がやっておくから大丈夫だよ」

「分かりました。それじゃ私はお先に失礼しますね」

「ああ、気をつけて帰るんだよ」


 課長に挨拶をして私は会社を後にする。


 私、霜月霧香はどこにでもいる普通の会社員だ。少し忙しい時はあるもののそこそこホワイトな労働環境の企業に勤務している。周りにも恵まれており、特に今の生活に不満はなかった。まあ20代で結婚がまだだからどうしようかと悩んだりすることもあるけど。


「さて帰ったら配信サービスで見たかったドラマでも見るかな」


 先日配信されたファンタジーの大作ドラマを今だ見れていなかったのを思いだし、私は帰ったらそれを見ようと決意する。

 そうして気持ち早歩きで帰宅していたところ、突然地面が光出し、ゲームの魔方陣のようなものが地面に浮かび上がる。


「へ? なにこれ?」


 私がそう呟いた瞬間、視界が真っ白な光で塗りつぶされ私は意識を失った。

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