私の父

@hugmaro

第1話

私の父の話をしよう。

55歳会社員部長職。某有名大学理工学系大学院卒業。肩書きだけ見れば立派かもしれないが、何せ常識がかけている。モラルがない。変わっている。

例えば今日朝起きてびっくりしたのは、飼い犬に対して吠えていた。

ウーウーと唸っている声がすると思ったら犬ではなく、父の声だった。

私が「何をしているの?」と聞くと父は「犬と会話している」と真顔で答えた。

普通犬と遊ぶと言ったら、おもちゃで遊ぶとか、あったとしても少し声を出すレベルではないだろうか。

父の遊ぶは彼自身が唸ることだった。しかもそれは会話だったらしい。

あの声で何を会話したのだろうか、父は飼い犬のどんなメッセージを受け取ったのだろうか。謎である。

しかもその後私に変な目で見られたのにも関わらず(父は変に思われたことにさえ気づいていない可能性は大きいが)、かの唸り声をさらに10分ほどあげ続けたのであった。

彼の精神状態は大丈夫だろうかと娘ながら非常に心配になった。

これからこんな父について私(娘)の視点から綴っていこうと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私の父 @hugmaro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る