Doll Life

俗悪

1日目

プレイ1

 なんか友人がえらくおすすめしてくるゲームがあったので、折角なので購入してプレイしてみようと思う。

 では早速VRプレイヤーを起動して頭部にセットして、ダウンロードさっき購入したばっかりのこの『Doll Life』というゲームを起動した。


 体がフワッと一瞬浮くような感覚に襲われると私は自室から別の場所に移動していた。

 そこは一面真っ暗闇で目の前に浮かぶ『Doll Life』というゲーム名とログインという言葉だけが唯一の明かりだった。


「ゲームは久しくやってなかったから今一勝手がわからないが、取り敢えずログインを押せば良いんだよな?」


 私は昔から治らない癖である独り言を言いながら光っているログインという言葉を手で触れた。

 触れた瞬間ログインはポンという音を発てた後消え、『ようこそ、Doll Lifeへ』という言葉と共に目の前に一体のマネキンが現れた。

 マネキンはどうという特徴はなく、強いて言えば男性かな?と思わなくもない体つきをしていた。

 それ以外にはこれといったアクションが起きなかったので何をすれば良いのか要領を得なかったが、取り敢えずこのマネキンは何か関係があるだろうとマネキンに触れてみることにした。

 すると当たっていたようで触れたら何か始まった。


「成る程、これを使って操作するキャラクターを作れということか。」


 どうやら今はキャラクターメイキングという段階のようで自身のプレイヤー名とキャラクターを作成してくれとのことであった。

 面倒くさかったのでプレイヤー名はさっき摘まんでいたポテトチップスから取って『ポテト』にした。

 キャラクター作成というのは最初わからなかったが、要は自分が操作するキャラクターの見た目を目の前のマネキンを用いて作ってくれというものであった。

 マネキンそのままはできないようでそのままにしようとしたら拒否された。

 なので仕方なくメイキングすることにする。

 とはいえ私は見た目は何でもよかったのでメイキング素材として一番最初に提示されていたものをそのまま使用した。

 そしたらなんというか微妙に気持ち悪い見た目になってしまった。


「別に不細工という見た目じゃない筈なんだけど、生理的嫌悪感が拭えないというか、なんか気持ち悪いと感じる。何て言うんだっけこれ?」


 えーと、確か不気味の谷だったか?

 そんな感じの現象だと思う。

 しかしどう変えればこの気持ち悪さが消えるかわからないし、そもそもゲーム中は自分の容姿なんて自分じゃ見えないんだし、これでいっか。

 そういう訳で私は見た目を変更せずそのままにすることにした。


「で、次は何をすれば良いんだ?」


 このゲームの仕様なのか、それとも昨今のゲームは皆こうなのかわからない不便さに辟易しながら私は次に何をするのかを考えた。

 すると私の考えを読んだというよりは独り言に反応したのかもしれないが、目の前に今度はゲームスタート Yes/Noの表示が現れた。


 私はYesを押した。

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