第2話 徒然なるままでよろしいでしょうよ

ダラダラと。

私は今、世間一般で言う仏の状態であると思われるわけですが。


温泉はやはり良いものですね。

若いころは、しょっちゅう温泉に通ったものです。

男性はお風呂の時間が短いという声も、私が大人になるころには失われた言葉です。

それくらい、お風呂には魅力があるということです。


温泉に浸かっている気分を味わいながら、何故か使えるスマートフォンで時間を無駄にする。

 この時間を無駄にする行為そのものが好きでした。


この体になってからというもの、お酒を飲んでいません。

他の方ともお会いませんし、情報が出回ることもないわけです。

あぁ、楽しいです。

少しのぼせたかな、というところで温泉を後に。


いやぁ、いい湯でした。

皆さんから、年の割におじいちゃんという事から、こじいちゃんと呼ばれてきた私ですが、結局のところその性格や言動が変わることなく人生を終えるまで来てしまいました。


面白いものです。

だってそうでしょう。小中高大と、少しずつ自分自身では恥ずかしい黒歴史を量産した時間だったのに。

 誰も私の性格や言動が変わったと感じていなかったわけですから。


大学まで同じだった幼馴染の友人に言われましたが、どうも私は大人っぽいそうです。

そういわれるのはまぁ良いのですが、実際は阿呆ですし、頭も回らない容量も良くない奴でして、知ってもらう努力が足らなかったのでしょう。


一定以上の距離に近づくものを排除し、それでいて友人と呼べる者たちは多くいました。

男女問わず、お付き合いもしたこともありました。

だけれども、いつも告白をするのは相手で、フラれるのは私です。


今更な話を長々と、恥ずかしいもので。

やることが無いのでね。どうしてもこう、自慢話ではありませんがまぁ我々老人に良くある自分語りというものです。


ちなみに、自分語りが多い人間は嫌われるので、私は仲良くなっても長続きしない人間だったのでしょう。

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