第4話「密室殺人事件を解いてみよう」

「……被害者はベルガ・エウレカ(37歳)だ」

 バロンが床に倒れている年齢より大分年取って見える男性ベルガを見つつ呟く。それを眺めていたエリアルが近場の椅子に腰かけている。

 ここはどこかの屋敷で、二人もなぜか探偵風の衣装に身を包んでいた。

「そもそもなんでここにいるんだっけ」

「……さあ……?今日のスタジオがここだったから……」

「あ!それは裏の話よ!ベルガだってここで倒れてる演技なんだから」

 エリアルが立ち上がり、爪先でベルガをつつく。すると彼は少し驚いたように身を弾ませる。

「……容疑者は彼らだ」

 話が進まないのでバロンが強引に話題を振り、二人は視線をやる。

 立っているのはエリアルに容姿が似た幼女と、青い髪の青年、白い髪の青年だ。

「……小さい女の子がクリジナ、青い髪の男がゼル、白い髪の男がシンと言うらしい」

「うーんじゃあ犯人はゼルってことで」

 エリアルが即決すると、ゼルは流石に驚く。

「待て待て、ちょっと適当が過ぎないか?ホシヒメじゃあるまいし……蒼の神子はともかく、バロン、あんたまでふざけてるのはどうなんだ」

「……そう言われてもな……ここは君が犯人と言うことで丸く収めてくれないか」

「主人公がズルすんな」

 と、そこにシンが混じる。

「私にも台詞くらいはくれないか。折角兄弟が揃っているんだし……一人死んでるけど」

「……これ以上喋ったら適当に作ってるのに真剣に議論しなければならなくなるから終了だ」

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