第2話-花畑
花畑に行くとなにか私すらも綺麗なものだと勘違いしてしまう。
花そのものや蝶、ミツバチなどあんなに美しい者たちが居るのに、何故私はとても醜いのだろう。
綺麗だと勘違いしたあとの少しの余韻が私を襲う。
花畑を綺麗だと思った自分がこんなにも醜いのならば居なくても良いのではないかと。
自分がすべての汚いものを負えればいいけど。そんなわけにはいかない。
だって私はもう汚れすぎているのだから。
自然と自分が汚い、醜いと思える人がいればきっと私と同種の人間だろう。
そう簡単に自虐しようとするものはいないのだから。
なにか追い詰めているものでなきゃそんな事は考えないのだから。
周りに生き方を否定されたって、健やかにまっすぐ太陽に伸びる、
そんな花に私もなりたい。
そしてあとに生まれてくる小さな小さな命にもそんな綺麗な花になってほしい。
私みたいに汚れないで。
自分を捨てないで。
だって。自分はひとりしかいないんだから。
詩の旅人−花畑
語り手:シルヴァ・イグロード
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます