わがやのお雑煮
少し早いかもしれませんが、お雑煮のお話。
これこそ全国津々浦々で、様々な違いのある食べ物ですね。
私の実家では、お雑煮は角餅、しょうゆの澄まし汁。鶏肉やごぼう、ネギ、白菜など具だくさんのものでした。
しかし場所を変われば、お餅の形は丸くなったり、汁は白味噌仕立てだったり、具も豪華なものもあればあっさりになったりと、全然違ったものになるそうで。
さらに各ご家庭の細部が加われば、本当に、わがやの味……というものが主張される料理なのだなあとしみじみ思います。
私が幼い頃は家に杵と臼があり、餅つきをしたこともありました。
祖父と祖母が絶妙の呼吸で餅をついては返し、そのあとつきたてのお餅を祖母がまるめて粉をまぶして……。柔らかいお餅を頂くのは特別な瞬間でした。
時代とともに杵と臼は餅つき機に姿を変え、そして今では餅は正月前に買うくらいのものになってしまいましたが……。
祖母の作るお雑煮は、母の作るものとはまた少し違っていましたが、共通する部分が多く、ルーツはここなんだなあと思えるものでした。
市販の切り餅をオーブンで焼き、雑煮を作りながら、今でも家で作られた餅を懐かしく思うのです。もちろん、この切り餅だって十分すぎるほどにおいしいものですが。
今のわがやのお雑煮はといえば、角餅としょうゆのすまし汁。鶏肉と青菜とねぎの割とシンプルなものです。
実家のものとは少し違う。でもルーツはそこにある。
自分で作るのに、なんだか懐かしい味わいのお雑煮は、やっぱり出来たてあつあつがたまらない。
そんな話をしていたら、いやはや、お正月に先駆けてお雑煮が食べたくなってきました。
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