スライムからパンを作ろう！〜そのパンは全てポーションだけど、絶品！！〜

第45話 ハンバーガーとは？

　ただ……少し具材に悩んだ。

　日本にいた頃、チェーン店でもだけど時々食べたくなって、いろんなバーガー店のライスバーガーを食べたからだ。

　今は転生しちゃってるし、新しい家族だと思ってるカウルやラティストもいる。だから、どんなものを食べたいかちゃんと聞かなくてはいけない。

「「食べたいもの？？」」

「そう。バーガーって、簡単に言うとサンドイッチの種類だからね？」

「ケン兄さんの故郷の食べ物でやんすか？」

「そうそう。お米を使った、パンじゃないけどパンのように見立てたサンドイッチでね？」

「米……か。煮れば柔らかくなる穀物の印象しかないな？」

「それを調味料とかで混ぜて、パンのような土台を作るんだ」

「……興味深い」

「あっしも食べてみたいでやんす！　……で、ケン兄さんはどの部分で悩んでいるでやんすか？」

「んー、挟む具材なんだよ」

　紙にいくつか材料の名前を書いていくと……カウルはまだちんぷんかんぷんな部分が多いようだけど、大精霊として長く生きているラティストにはわかったのか、軽く唾を飲み込んだ。カウルと違って、彼は仕上げ作業とかも一緒に行動しているからね？

「肉が多いでやんすか？」

「そうそう。薄切り肉を甘辛くしたのとか……唐揚げみたいな大きな鶏肉を挟んだりとか。天ぷらっていうのもあって……最低ふたつは作るけど、二人はどんなのがいいかなあ？」

「「うーん……」」

　ざっくり説明すると……テーブルに乗っているカウルも、カッコよく腕を組んでいるラティストも……めちゃくちゃ真剣に悩んでいる。

　肉体労働しているから……たくさん食べたいし、僕の知っている世界の珍しい食べ物をたくさん知りたいだろうから。

　僕も僕で、食べたいもの作りたいからだけど！

「……片方お肉で、片方お野菜はどう？」

　僕以外は人間じゃないけど、やっぱり野菜はスタミナ作るのに大事だからね？

「！　いいでやんすよ！」

「俺も異論はない」

「じゃ、野菜は天ぷら……かき揚げにしようか？　ラティストにはにんじんと玉ねぎの千切り作ってもらっていい？」

「……それをどうするんだ？」

「唐揚げとかとは違うけど、衣作って混ぜて揚げるんだー」

「わかった」

「ケン兄さん、あっしは？」

「うーん……せっかくだから、ごぼうの土汚れ取るの手伝ってもらっていーい？」

「合点承知！」

　仕事でも一緒に作るのはもちろんだけど……こう言うプライベートで一緒に住んでいる人達とご飯を作るのも。

　やっぱり……ひとり暮らししてた時より、ずっといいね！