第5話 命を繋ぐ

ママはどうやら図書館で妊娠に関する本を数冊買って読んでいるようだ。ママが私を妊娠してからもう35年経っているから、情報をリニューアルしたいのだろう。勉強家のママらしい。ママは家に経済的ゆとりがなかったので、高卒で仕事をし始めた。その後どうやら、いろんな形で勉強を続けている。大学だって、私を妊娠する前に入って、子育てしながら10年掛けて大学を卒業したという強者だ。卒論だってしっかりアンケート調査までして完成させたようだ。なので、ママの勉強好きは生涯消えないのだろう。


女の役割は時代によって変化していく。ママは専業主婦として私の子育てをしたけれど、今の時代、専業主婦では家計が厳しいし、せっかく私も大学を卒業して仕事をして来たキャリアがあるので、狭い家で家事と子育てだけをして生活していけるかしら?とも思う。いずれにしても、ママは新米ママになりかけている私と、新しい命の存続の心配と愛情を注ぐ仕事が増えたのだろうから、大変だろうな。私もママに心配かけないようにしっかり新米ママになっていかなくては。仕事との兼ね合いをどうするか…、結構課題だ。

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