②【プロット】ダディ・アゲイン
木本雅彦
プロット
あらまし
トラックにドン!で高校生に転生した妻子持ちの男が、イクメン高校生になって、シンママや保育士の先生といちゃいちゃする話。
主人公は、妻子がいる。子供は4歳。
男性が、トラックにドンで死んで転生した。
どうやら、高校生男子らしい。
高校生男子なのに、なぜか子供の相手がうまい。そりゃ、一度でも経験すれば、素人よりは子供の相手ができるようになる。
そんなこんなで、美人シングルマザーとその子供と仲良くなる。
保育士の美人おねえさんとも仲良くなる。
男性にとっては、やりなおしであった。
自分が育児をしてきた過程で、それなりに頑張ったつもりだったけれど、失敗したこと、もっとうまくできたことについて、後悔とか妻への謝罪を抱えつつ、やりなおして育児をうまくやろうとしていた。
そんな時、とある母子家庭に出会う。それは、彼が転生前に残してきた、本来の妻子であった。
苦労しながら生活する彼女らを見て、自分は何ができるかを考える。
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登場人物
成瀬修二
• 主人公。
• 男性。高校二年生。
• 前世の名前は東原修二。
• 会社では鬼軍曹と呼ばれた、開発現場のリーダー。
• 女性とか興味ないように見えたが、なぜか結婚して子供がいるのがみんな不思議に思っている。
• 保育園に朝子供を送る以外は育児とかあんまりしている認識がない。
• トラックにドンで、高校生に転生する。
• 高校生になってみたら、転生したらしい認識はあるものの、前世の記憶がほぼ残っていなかった。
東原佳代(かよ)
• 女性。32 歳。
• 主人公の前世での妻。今はシングルマザーで娘を育てる。
• 何も言わない。文句も言わない。黙っている。ニコニコしているわけでもない。無表情。黙々とするべきことをする。
• でも実態は、我慢しているだけ。すずさん。
• 子供が熱を出した時に夫が頑張って息子を抱きかかえて病院に連れていってくれたことを感謝していて、それだけを心の支えに生きていけるタイプ。
東原愛由(あゆ)
• 主人公の前世での娘。
• 4 歳。お父さんもお母さんも大好き。
白砂潔美(きよみ)
• 女性。高校二年生。
• 主人公に告って玉砕。でも諦められない感じ。
• ポジティブな性格なので、振られてもそんなに態度が変わらない。
成瀬芹香(せりか)
• 大学生。高校生の主人公と同居している。
• 憧れの人がいるっぽく、将来は結婚して子供が生まれてとか妄想しているっぽい。
成瀬なずな
• 主人公と同じ年齢で同じ高校。
• 美少女でパソコンオタク。あんまり異性に興味なさそう。趣味に生きたいタイプ。
下條加奈子
• シングルマザー。
• 迷子になっていた息子を主人公に助けられて、主人公と知り合う。
• 真面目で誠実で、強く生きようとしている。強気で前向き。
• とくに化粧っ気なんかもないんだけれど、妙な色気がある。
下條誠児
• 4 歳。保育園児。
• やんちゃ。アホガキだけれど、お母さんを護るという使命感がある。主人公の前世での後輩の男
• 主人公の助けになる、かもしれない。
• 多分 2 巻くらいで、トラックにドンで犬に転生する。……わけがない。
松元美恵子
• 保育士。新卒で保育士になって三年目。
• 若いけれど、仕事に対する使命感が強い。
• 高校生なのに子供の相手が上手な主人公に好感を持つ。
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あらすじ
1.
トラックでドン。転生した、らしい。高校生になっていた。あれ?どうなっているのか、記憶があいまい。
主人公は、今自分が高校生であり、高校生として普通に生活していることは理解したものの、なんか実在がふわふわとしている。
しかし、今が窮状であることは分かった。なにせ、同級生の女の子から後者裏に呼び出されて、告られる真っ最中なのだから。
でも、全然ぐっとこない。というかキュン、とか、ムラッとかこない。
(元が枯れたおっさんだから)結局断ってしまう。
高校の外で、迷子になっていた子供 (4 歳) を助ける。子供が事故にあいそうになるのを助ける。その時に怪我をする。子供の母親に言われるがままに、ふたりが暮らすアパートで介抱される。ふたりは、母親と息子の二人暮らしだった。いわゆるシングルマザーというやつだ。(以降、シンママと息子とする)
家に帰れば、従姉妹の姉妹と三人暮し (訳あって)。妹のほうは、今日振った同級生と友達で、どうして振ったのかと詰め寄られる。正直に、なんか恋愛とか興味なくてー、などと答えると、彼女はショックを受けた様子。
2.
少年の高校での生活。普通に高校生。自分は高校生だという認識でいるが、何かから転生したような感覚は残っており、だけど前世の記憶はない。
昨日振った同級生女子と顔を合わせるのがきまずいので、とっとと帰る。
帰りにシンママに遭遇す。とても体調が悪そう。一緒にアパートまで付いていき、今度は介抱する側になる。弱っているシンママ、なんか色気あるし、萌える。息子の保育園のお迎えの時間だというので、かわりに迎えにいく。事前の保育園への連絡とか色々面倒くさいんだなと。
保育園で色々突っ込まれるが、優しくて話のわかる保育士さんに助けてもらう。
そしたらまあ他の子供とか遊べと言ってくるし、大騒ぎなんだけれど、主人公はどういうことは子供の扱いがうまい。弟がいるの?とか聞かれるけれど、そういうわけでもない。もしかしたら前世は保育士だったのかも、とかも考える。
他の子供と遊んだりしつつ、息子をつれて家に帰る。シンママは多少回復していて、誘われて夕食を一緒にとる。と言っても、弁当なんだけど。
3.
シンママ親子とどんどん親しくなり、休日の保育園のイベントに一緒に参加することになる。自然公園で遊ぶというだけのものだったが、息子は大喜びだし、保育園の友達も大喜び。
あと保育園女子から大人びたことを言われたりする。
そして、どうやら他の保育園のイベントと日程が重なっていたらしい。子供同士のトラブルをきっかけに、シンママが別の保育園のママと仲良くなる。どうやら彼女もシングルマザーらしい。彼女の娘と、息子が一緒に遊びはじめる。
そして主人公は気づく。彼女らは、自分の前世の妻子であると。(以降、元妻と娘)前世で自分はパパであったのだと。そりゃ子供の扱いかたも分かるはずだ。徐々に自分の前世を思い出しはじめる。
もちろん、元妻は主人公のことには気づかない。名前も顔も年齢も違うから当然。
シンママと元妻が仲良く話すなかで、主人公は弟分ポジションでいる。なんだこれ?と不思議な感覚になるが、この場所での主人公は、子供の相手が上手な高校生でしかない。
4.
後日。保育園の交流イベントがある。相手は偶然にも、先日一緒になった保育園だった。
ふたつの保育園合同で、近所の公園で遊ぶ。
そして、息子と娘が行方不明になる。保護者にも連絡がいく。先生が必死になって捜索し、結果として夜になって発見される。
問いただすと、息子が父親に会いたかったという。シンママは息子に「父親は遠くにおでかけした」と言っていた。
シンママに主人公に愚痴のように言う。遠くにおでかけと言っても死別ではなく、事情があって離婚して、会わないようにしているのだと。養育費は振り込まれているものの、彼がどこで何をしているのかは、分からない。歯切れの悪い言い方だった。
その後、元妻と娘とも一緒になる。シンママは娘に誤るが、元妻のほうが恐縮していた。
元妻の耐える姿を見た主人公は、いたたまれない気持ちになる。本来なら自分がここでなんとかしなければならないし、頭を下げるのも自分の仕事だ。自分にできること、本来はたすべき責任をとるにはどうすればよいかと考える。
元妻に、事故で夫が死ななければこんなことにはならなかったのにと思うことはないのかと聞く。彼女は言う。娘が病気になった時、必死におぶって病院に連れていってくれたことを覚えてる。この人はこの人なりに子供のことを大事にしてくれているんだって思った。その記憶があれば、自分は頑張れる。主人公は思う。そうだった、こいつはそういうやつだった。
自分は何かをしなければならないと、焦燥に似た感覚を持つ主人公。
5.
シンママがスマホを落としたのを拾い、渡し損ねて家に持ってきてしまう。ふと、父親の写真が入っているんじゃないかと思って、スマホの写真を見てしまう。父親の写真はあった。
おとなしそうな人だった。
主人公、その写真を自分のパソコンに転送する。
写真の顔を使って SNS に登録し、「あなたが写っている写真」検索をしてみたところ、その人物らしき人を発見。行動履歴などから、今の行動範囲を割り出す。
とはいえ、どうしたものだろう。
娘との話で、息子を父親に会わせてあげたいと言い出す。もともとふたりでどこかに行ってしまったのも、父親を探そうとしていた。
主人公、娘と息子のために一肌脱ごうと考える。
ふたりを連れ出して、息子の父親を探しに出かける。ちょっとした冒険の旅の気分。
目的の場所をうろつくけど見つからず、あきらめかけたところで、父親がほか弁屋から出てくるのをみかける。とても精気のない顔をしていた。
主人公は、それは、心が壊れた人間の顔であることが分かる。
息子と娘を連れて、その場を後にした。
6.
当然のように、両方の母親にバレる。
呼び出されて詰め寄られる。余計なことをするな、首を突っ込むな。主人公は自分なりの理由を説明し、シンママの元夫の現在の居場所を書いたメモを渡す。
「会ったの?」
「いや……見ただけ」「どう思った?」「病気みたい……とでも言えばいいのか」「それが分かるなら、そっとしておいてあげるべきなのよ」
でも元妻は、「会えるのなら、会ってみてもいいんじゃない?あなただけでも」
しかし彼女はメモを破って、その場を去ってしまう。
「会えるなら……会いたいと思うけどな……」と、元妻がつぶやく。
中身が鬼軍曹だった主人公は、心を壊した人間はそっとしておいたほうがよいということも分かるし、夫婦の間でそれで合意がとれているのなら構わないということは理解できる。
しかし高校生である今の自分の周囲の連中はわりと純粋だったり、保育園児に至っては無邪気ですらあり、お父さんに会いたいよねという欲求も分かる。
主人公悩む。ここで同居の従姉妹とか、振った同級生とかに背中を押される感じ。
元夫が困っていることを調べて、それを助けてやる。見返りに「ごっこ遊びに付き合って欲しい」
息子と娘と一緒にいく。元夫は息子に気づいて不審な顔をする。
「今日一日だけ、パパごっこにつきあってくれ。俺は女の子のパパっていうことで、あんたは男の子のパパってことで。何の責任もいらない。一日だけ、遊びをするだけだ。これはほんの、遊びなんだ」
遊園地や公園で遊ぶ。夢のような一日だった。不審なおっさんが娘に声をかけているのを、息子が助けようとして、脅されているのを、元夫が助ける。パパしてる。パパ、なんか充実感。息子も楽しそう。
夢のような一日であった。夢のような、一日だけの、パパであった。
お別れの時間。パパ「夢のようだったよ。……でも、夢のような一日だけでいいや。僕にはこれが限界だ」そうなのだろう。
帰る。娘、母親に報告。お兄ちゃんがパパみたいだった、と。
息子、母親に報告。お父さん、優しかった。前みたいに、怖い顔してなかった。一日だけなら、なんのストレスもなくパパをやっていられる。仕事からも離れて、もう少し時間がたてば、一緒に生活できる日もくるのかもしれない。
シンママ、一言だけ。「一応お礼は言っておくよ。ありがとうね。息子、喜んでる」
7.
主人公は少しだけ感謝されるけれど、無力な高校生であることに変わりはない。頑張っているシングルマザーを助ける力なんか、彼にはないのだ。高校生にできることなんて、本当に何もない。それでも、見守ることか、少しだけ手を出して助けることはできるんじゃないだろうか。
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