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彼が指差す方に、木の上に出来ていた蜂の巣があった。それを見てジュンは瞳を輝かせた。
『あっ! 蜂蜜じゃ〜ん!』
「見ろ、蜂の巣だ。お前、甘いのとか好きだろ? だからアレを見せたくてな――」
「ウンウン! ボク甘いのとか、だ〜い好き♡
テルキ君、あれをボクにくれるの??」
「ああ、そうだとも。アレをお前に取ってやろうと思ってな」
『わ〜い! テルキ君ありがとう〜♡ なんだかボク、キミを見直しちゃった。やっぱテルキ君は優しいや♡ さすがボクのスーパーダーリン♡』
「ああ、そうだぜ。オレは優しい男ってもんよ。見直しただろ?」
テルキはそう言うと不敵にニャッと笑った。
「よし、そうとなれば早速やるか!?」
「わ〜い♡ 賛成! 早く取ろ取ろ!」
「ん、じゃあ早速やろっか? よし、お前そこの板に乗れよ」
「え?」
「いいからさっさと乗れ、早く!」
「この板に乗るの? なんで?」
ジュンは不思議そうに首を傾げると、目の前にある手作りシーソーみたいな板を見て指を指して聞いた。テルキはそこで煙草を一本、吹かすと簡単に説明した。
「いいか、よーく聞け。俺達が下からシーソーにに乗ってな。下から岩の塊をぶつけて、蜂の巣を下に落とす。蜂は自分達の巣を突然襲われて、驚いて巣から逃げていくだろう。まさにそこを狙うんだ。良いアイデアだろ?」
「おお〜! 良いアイデアじゃん♪ テルキ君、さすがだね。確かに下から巣を取るにしても防護服がないと取れないもんね。かといって木に登って取るにしても、蜂に刺される危険もあるしね! その方が全然安全だよね! よ〜し、その作戦で行こう♪」
ジュンは彼のナイスな作戦に乗ると、何も疑うこともなく、早速シーソーの板の上に乗った。
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