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「テルキ君一人で焼き魚食べてるなんてズルい!」


「ああん? なんだよ。これは俺様が捕ってきた食料だ。ほしけりゃ、自分で捕ってこい。まあ、どんくさいお前にはまず無理な話だけどなぁ」


 テルキはそう言い返すとジュンの目の前で焼き魚を豪快に食べて、勝ち誇った顔をしながら見せつけた。ワイルドに焼き魚をガツガツと食べてる様子にお腹は空腹で素直に鳴った。ジュンが指を横で咥えて羨ましそうに側で見た。テルキは不意に地面に刺していた焼き魚の棒を掴み取るとそれを目の前に差し出した。



「ホラ!」



 ジュンはテルキに焼き魚が貰えると思い、顔がパァッと明るくなった。


「い、いいの……?」


「ああ、もちろんだ!」


 ジュンは恐る恐る聞き返すとテルキはニコッと微笑んだ。その笑みに思わず瞳を潤ませた。


「テルキ君っ…ひっく…!」


「うっうっうっ……あっ、ありがとう…――!」



 彼の優しさに触れると、ジュンは瞳をウルウルと潤ませながら、泣いて彼から焼き魚が刺さった棒を受け取った。すると突然、テルキはニヤッと怪しく笑った。


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