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――漂流した二人は無人島に辿り着くなり厳しい状況を強いられた。持っていた飲み物、食べ物、全てが全滅。二人はジャングルをさ迷いながら飢えに苦しんだ。


「もっ、もっ、もうだめぇ~~っ! 歩けない! お腹が減った死ぬ! 僕達きっとここで死ぬんだ! 美人薄命で僕達ここで死ぬ運命なんだぁ~~っ!!」


 ジュンは泣き言を言うと持っていた棒を落として地面にへばりついて泣き出した。だが、彼氏の方は無言で石の上に座りながら何かをしていた。黙々と何かをしている彼にジュンはふと気になると 座り込んだ地面から立ち上がって、背後からそっと覗き込んだ。


「ねーねー、テルキ君。さっきから何してるのぉ~?」


 ジュンが、ぶりっ子風の可愛い仕草をしながら彼に尋ねると聞かれたテルキは後ろを振り返ってあるものを見せつけた。



「ああ~ん? そんなの見ればわかるだろ、自分の墓石を掘ってるんだよ」



 テルキはそう話すと、丸い形をした石に自分の顔を掘っていた。墓石を掘ってると聞かされるとジュンは驚いて一歩身を退いて話しかけた。


「ぼっ、墓……石!? やだ、ちょっとテルキ君たら早まらないでよ~!」


「うるせぇ、ボケカス。テメーも自分の顔を石にでも掘ってろよ。どうせもう、助からねぇんだ。だったら自分が生きた証を石に刻んでやらぁ」


「ちょっとテルキ君、諦めるのはまだ早いよ! ひょっとしたら救助が来るかも知れないよ!?」


「救助~? テメー、この状況でなにが救助だ。2日も漂流したあげく、救助なんてものは見当たらないがなぁ。寝ぼけたこと抜かすとフルボッコにすんぞ!」


 テルキは機嫌悪そうに答えると、キッと睨みつけた。彼の急な冷たい態度にジュンは何気なく聞いてみた。

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