完璧な妹の自慢の兄になるために努力を始めたら、少しだけ妹の様子がおかしくなってきた話
ハイブリッジ
完璧な妹の自慢の兄になるために努力を始めたら、少しだけ妹の様子がおかしくなってきた話
「ただいま」
「遅いです。こんな遅くまで何をしていたのですか兄さん?」
玄関を入ると妹の
「え、えっと友達と遊んでて……」
「遊んでいて? はあ……」
溜息を吐くとより一層機嫌が悪くなる深雪。
「遊んでいる暇があるのですか? いつも赤点があって学年順位も下から数えた方が早い兄さんが?」
「ご、ごめんなさい」
「誰のおかげでこの前のテストは乗り切ったのですか?」
「み、深雪のおかげです」
この前のテスト、深雪が要点をまとめてくれたので補習と赤点を何とか回避することができた。
「そうですよね。私のおかげですよね。優秀な私が教えてあげているから何とか乗り越えたんです。それなのにまた勉強もせず遊び惚けて……」
「つ、次からは気を付けるよ……」
「反省をしているのならもっと早くに帰ってきてください。できない兄を持つと本当に大変です。恥ずかしくて自分に兄がいることはクラスでは秘密にしているんですよ」
「…………本当にごめんね」
「……ご飯はどうするのですか? 食べるのですか?」
「食べたいです」
「はあ……。すぐに準備をするのでリビングで少し待っていてください」
■
<学校・教室>
「はあ……」
「どうしたんだよため息ついて」
「ちょっと……」
昼休み。昨日のことを思い出してついため息が出てしまった。
「また妹のことか?」
「……うん」
友人に悩みを当てられてしまう。
「妹、お前にだけ当たり強いよな。まあ身内だからかもだけど」
「そうなのかな」
「成績優秀、スポーツ万能の美人さん。誰にでも優しくて生徒からはもちろん、先生方からも好かれている。この学校にいるモテ男たちは総じて告白をしているが全員玉砕。欠点のない完璧な妹だな」
深雪は本当に僕の兄妹かと疑いたくなるほどすごく自慢の妹だ。
「昨日も怒られちゃったよ。もっと早く帰って勉強してくれって。学校じゃ僕の事を兄だって恥ずかしくて言えないって」
「おおー手厳しい。まあ正論だけど」
僕もその通りだと思う。僕は勉強も運動も苦手だし、これと言って何か取り柄があるわけでもない。深雪が隠したくなるのも納得だ。
「昔は兄さん兄さんって可愛いかったんだけどね……」
今の深雪からでは想像もつかないが小さい頃はいつも僕の側から離れない妹だった。今ではたぶんめちゃくちゃ嫌われている。
それもこれも全部深雪に迷惑ばかりかけている僕のせいだ。
「……よし決めた。僕変わってみるよ!」
「またそんなこと言って」
「こ、今度こそは変わってみせるから。勉強ちゃんとして、運動も少しだけ頑張ってみる。そ、それで深雪に自慢の兄だって思ってもらうんだ!」
────────
<自宅>
「ただいま」
「おかえりなさい。今日も遅かったわね」
「生徒会の仕事が長引いてしまって……。兄さんは?」
「お兄ちゃんなら部屋にいるわよ」
「はぁ……またゲームですか。よく飽きずにずっとやってられますね」
「それがね勉強してるのよ」
「えっ?」
「帰ってきてからずっとよ。何かあったのかしらね?」
「一時的ですよ。今度は何日で終わるのですかね」
「まあまあ。やる気があるのはいいことじゃない」
────────
<翌朝>
「……ふぁあ」
「おはよう」
「………………うそ」
深雪が僕を見て目を丸くする。
「ど、どうしたの?」
「兄さんがこんな時間に起きるなんて。いつも私が起こさないと起きることができないのに……どんな手品を」
まるで信じられないものを見ているリアクションをする深雪。
「目覚まし掛けたんだ。僕だってさすがに目覚ましを掛けたら起きれるよ」
「は? いつもは目覚ましでも起きないじゃないですか?」
「ス、スマホのアラームも設定したんだ。目覚ましだけだと心配だったから」
確かにいつもは目覚ましをかけても二度寝してしまい深雪に起こしてもらっている。でも今回はスマホのアラームも設定して二度寝しないように頑張った結果、なんとか起きることができた。
「これからは起こしに来なくても大丈夫だよ。いつもありがとうね」
今までは深雪に甘えてばかりだった。頑張れば僕もちゃんと起きることができるんだ。
「なんでそんなこと……」
「いつまでも情けないままじゃ駄目だと思って」
「どういうことですか?」
「深雪に迷惑かけてばかりだからいけないと思ったんだ。だから色々頑張ろうかなって」
「…………迷惑」
聞き取れないほどの声量で呟く深雪。
「でもこんな朝早くに起きる必要はないですよね? もう一度寝たらどうですか? まあ起きれなかったらいつもみたいに私が────」
「今日から毎日朝にジョギングしようと思うんだ」
「ジョギング?」
「うん。僕、全然体力ないし。少しずつ運動していこうかなって」
「……どうせ三日坊主ですよ。途中で投げ出してきた兄さんを私は飽きるほど見てきました」
「こ、今度こそは絶対に続けるよ」
「はいはい。言葉だけならなんとでも言えます」
深雪の言う通りだ。言うだけじゃなくてしっかり続けていかないと目標である深雪の自慢の兄には到底なれない。
「じゃあいってくるね」
「……車とかに轢かれないようにしてください。兄さんはドジなので」
「ありがとう。気を付けるね」
「…………」
■
<兄の部屋>
「兄さん入りますよ」
「どうしたの?」
寝る前の時間、深雪が部屋を訪ねてきた。
「兄さんのクラスで今度テストがありますよね? 勉強の進捗はどうですか? どうせやっていないだろうと思って────」
「ふふんバッチリだよ」
「私が勉強………………バッチリ?」
「バッチリ。毎日予習と復習してたからね」
「……毎日ですか?」
「うん。毎日2時間くらい勉強してるんだ」
自慢の兄になると決めたあの日から毎日欠かさず勉強をしている。最初は投げ出したいな、遊びたいなって何回も思っていたけど、自慢の兄になるため踏ん張るんだと自分に言い聞かせてなんとか続けられている。今の自分を過去の自分が見たらびっくりするだろうな。
「……ウソ」
深雪が信じられないという顔をしている。
「ウソじゃないよ」
「じゃあウソではないと証明してもらいますよ」
「いいよ。問題出してみてよ」
「わかりました。では数学の教科書の……ここのページの問3の問題を解いてください」
「わかった」
問3の問題は……確かここを……。
「兄さんは数学が苦手ですからね。ウソを吐いていたらここの問題は解────」
「できたよ」
「えっも、もうですか? 確認しますね」
深雪が僕の答えを確認する。
「……正解です」
「やった。ほらちゃんと勉強してるでしょ?」
「……まだ一問正解しただけです。ではこの先のここからここまでの問題もお願いします。もちろん勉強していたら全問正解できますよね?」
「オッケー。任せてよ」
深雪から出された問題を確認して解いていく。
「先ほどのはまぐれで解けてしまえるような簡単な問題でした。でも今回のは難しいです」
「………………できたよ」
5分ほどで全問解き終わった。
「確認します」
再び深雪が答えを確認をする。全ての問題の答え合わせが終わると深雪の顔から余裕がなくなる。
「…………ぜ、全問正解」
「やったー」
深雪が出してくれた問題はテストの範囲のところであったのでしっかり復習をしていた。
「兄さんが数学を……」
「これからは深雪に教えてもらわなくても大丈夫だね」
「えっ……」
「苦手だった数学もここまでできるようになったし、それにいつも深雪に勉強を見てもらって申し訳なかったしさ」
「………………そうですか」
少しだけ不機嫌になる深雪。
「まだ期末テストも残っています。兄さんがそこまでこのやる気を続けられるとは思えませんけど」
「今回は本気で頑張るよ」
ここまでやってこられたんだ。ここで投げ出すわけにはいかない。
「……じゃあ私は戻りますね。勉強の邪魔をしてすいませんでした」
「ううん。ありがとうね深雪」
「…………っ」
□■□
「深雪待って」
「なんですか?」
今日は朝から生徒会の仕事があるのでいつもより早く家を出ようとすると兄さんが声を掛けてきた。
「これ忘れ物。お母さんが今日早かったから作ってみたんだ」
とても可愛いらしい風呂敷に包まれた何かを渡そうとしてくる兄さん。
「なんですかこれ?」
「お弁当だよ」
「……え?」
「作ってみたんだ。いつもお母さんが早い時は深雪が作ってくれてたでしょ。だから」
基本的にお弁当はお母さんが作ってくれるのだが、お母さんの仕事が早い時は私と兄さんの分は私が今まで作っていた。
でも最近は兄さんがお母さんが早い時は購買で買うようになったので、私はお弁当を用意するのをサボり気味になっていた。
最近私も生徒会や勉強など色々と忙しくなってきてしまった。決して兄さんがお弁当をいらなくなって、一人分だけ作るのもなんか寂しいからとサボり気味になったのではない。
「兄さん料理できたんですね。……知らなかった」
「は、ははっ……ちょっと前から勉強してるんだ。いつも作ってもらってばかりで申し訳ないから」
……料理も勉強していたなんて知らなかった。毎日学校の勉強をして運動もしているのにどこでそんな時間を作っているのだろう。
「そうですか。じゃあまだまだ下手っぴってことですね」
「う、うん。深雪に比べたら全然だよ」
「当たり前です。そもそも兄さんのお弁当なんて何が入っているのかわからないし、どんな調理法で作ったのかわからないので気持ち悪いです」
「そ、そうだよね。ごめんね。……いらなかったよね」
「は? いらないとは言っていませんけど?」
「え? で、でも────」
「生徒会の集まりに遅れてしまいます。早くお弁当を渡してください」
「う、うんごめんね」
兄さんが申し訳なさそうにお弁当を渡してくれる。
「まったく。……じゃあいってきますね」
「い、いってらっしゃい」
兄さんのお弁当……。
────────
<学校・深雪の教室>
「やっとお昼休みだー。深雪ちゃん一緒に食べよー」
「はい。今準備します」
鞄からお弁当を取り出す。
「深雪ちゃんのお弁当っていつも美味しそうだよね」
「ありがとうございます」
蓋を開けると形が整っていない卵焼きや少し焦げているハンバーグが入っていた。入っているおかず全て私の好物ばかりだ。
「…………」
「このお弁当、深雪ちゃんのお母さんが作ったの? なんかいつもと違うような」
「いえ……今日は私が作りました」
「おお深雪ちゃんの手作りの日か。うーん……でもやっぱりいつもと違う気がするよ。なんか料理を最近始めた人が一生懸命作ったようなお弁当って感じが……」
む、無駄に鋭い。
「きょ、今日の朝は慌てていたので、少し失敗してしまって」
「えっ!? 深雪ちゃんでも失敗するの!? 深雪ちゃんは全部完璧だと思ってたよ」
「そんなことないですよ。私だって失敗します」
なんで私が兄さんのフォローをしないといけないのでしょうか。まったく駄目な兄さんです。
さてとお腹も空いたので早速いただきますか。
「ねえねえ深雪ちゃん。おかずどれか一口頂戴よ。私のもあげるから」
「いえ。失敗したものを食べてもらうのは心苦しいので」
「ええーいいよいいよ。私そういうの全然気にしないし!」
「いえ。心苦しいので」
「まあまあそんなこと言わずにさー」
「いえ。心苦しいので」
「一口だけ────」
「心苦しいので」
「……そ、そっか。なんかごめんね」
「私こそすいません。今度きちんと成功したものをおすそ分けしますね」
「本当に!! ありがとう!」
ダメダメな兄さんの作ったお弁当を私の大切な友人に食べさせるなんてできません。責任を持って私一人で食べることにします。
「……いただきます」
まずは卵焼きを一口、いただきます。
「…………………………甘い」
私が甘い卵焼きが好きだからってこれは砂糖を入れすぎている。マカロニサラダはコショウが多いですね。このハンバーグもちょっと焦げているし。ソースは……少しお母さんの味と近いかも。それでも減点の方が多いです。
……全くまだまだですね兄さんは。このお弁当、私以外だったら残しているところですよ。帰ったら文句を言わないと。
「なんか深雪ちゃん……いつもより味わって食べてるね」
□■□
<深雪の自宅>
「兄さん。お弁当ありがとうございました」
「うんありがとう」
深雪が帰ってくるとすぐにお弁当箱を渡してくれた。
「お弁当のおかずについて色々とお伝えしないといけないことがあるのでこの後時間を空けておいてください」
「わ、わかったよ」
深雪の反応を見るに失敗をしている感じだ。卵焼きが甘すぎたかな。それともハンバーグが少し焦げちゃったところかな。はぁ……やってしまったな。
お弁当箱を洗うために蓋を開けると綺麗に完食されていた。
「……あれ? 全部食べてくれたの?」
てっきり残しているもんだとばかり思っていたからびっくりだ。
「残すのは環境に良くないので」
「ごめんね。美味しくなかったのに」
環境の事を思って美味しくないお弁当を完食してくれたなんて……深雪に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「…………」
「……………………美味しくなくはなかったです」
「え?」
「何でもありません。お風呂に入ってきます」
深雪は足早にお風呂場に向かって行った。
「…………次は絶対に成功させるぞ」
■
<学校>
「ごめんね安藤さん。手伝ってもらっちゃって」
「う、ううん。全然大丈夫だから気にしないで」
放課後、先生に提出物を職員室まで運ぶのを頼まれたのだが量が多くて困っていたところを同じクラスの安藤さんが手伝ってくれた。
「今度何かお礼するね」
「えっい、いいよ。私が勝手に手伝ってるだけだから」
「でもそれだと申し訳ないからさ」
「……じゃ、じゃあ今度一緒に────」
「先輩、何をしているのですか?」
職員室まであと少しというところで深雪が話しかけてきた。近くに同じ生徒会っぽい人と一緒にいる。
「あっ
危ない危ない。学校では他人の振りをしないと駄目なのに。また深雪に怒られるところだった。
「お、小川さんこんにちは」
「……授業は終わっているのに二人で何をしているのですか? 勉強ですか?」
「え、えっと資料を職員室に運ぶのを手伝ってもらってて」
「そうですか。てっきり生徒が少なくなった校舎で仲睦まじく遊んでいるのかと思ってしまいました」
なぜかわからないが不機嫌そうな深雪。どこか僕におかしなところがあっただろうか。ちゃんと他人の振りもできていたし。
「先輩は今回のテストで少し学年の順位が上がりましたもんね。もしかして最近勉強を頑張っていたのは女子生徒と仲良くしたいためだったのですか?
頭がいいだけで女子から言い寄られると思っているのならそれは幻想ですよ。先輩が勉強を頑張ってもまだまだ駄目な部分が多いので」
表情には出ていないけど深雪はかなり怒っているようだ。言葉にトゲがある。
「あ、あの小川さん。ちょ、ちょっと言い過ぎだと思います」
深雪の様子を見かねた安藤さんが僕を庇ってくれた。
「……よかったですね。先輩の事を大切に想ってくれる友人ができて。行きましょう会長」
「あ、ああ」
そう言って深雪と男子生徒は去って行った。
「小川さん、なんであんなに怒ってたんだろう。私たち何かしちゃったかな」
「わ、わからない」
────────
「……………………」
「おい小川。さっきはどうしたんだよ。お前らしくないぞ」
「……すいません会長。体調が優れないので今日は帰ります」
「お、おい」
■
<自宅・自分の部屋>
「ちょっといいですか?」
学校から帰宅し荷物を置きに自分の部屋に戻ると深雪が訪ねてきた。
「あ、あれ? 今日は生徒会があるって……」
「そんなことは今はどうでもいいことです。今日の放課後に一緒に話していたあの女子生徒は何ですか?」
「なんですかってただのクラスメイトで資料を運ぶのを手伝ってくれただけだよ」
「ウソです。あんなに仲睦まじい様子で……。まるで恋人みたいに」
「こ、恋人って……そんなわけ────」
突然深雪が僕の手を掴むとベッドに押し倒してきた。抵抗することもできず、僕の上に深雪が乗りかかり、手首も抑えられてしまい逃げることができない状態になる。
「み、深雪?」
「……私が誰のために完璧になろうと努力しているのかわかりますか?」
「えっ……深雪自身のためじゃないの?」
「兄さんのためですよ」
「……僕のため?」
深雪の予想外の返答に驚いてしまう。
「そうです。兄さんが私を褒めてくれたから、兄さんが私を頼ってくれるから、兄さんに私を見てほしいから……私はここまで頑張ってきたんです」
僕のために……。日頃の深雪からの接し方とかで僕は深雪に嫌われていると勝手に思ってしまっていた。
「覚えていますか? 〇〇〇〇年△月□日の火曜日の午後……兄さんが私に『ずっと一緒にいてあげる』って約束してくれたこと。信じていたのに……兄さんはあの女を選んで私から離れようとした」
「離れようとしてないよ」
「しましたっ! 兄さんは私のことが嫌いなんだ! せっかく兄さんの……兄さんのために私は……ぐすっ」
深雪の涙が僕の頬に落ちてきた。
「……そうだったんだね。ごめんね気づけなくて」
「うぅ……ぐすっ……っ……ばか」
流れてくる涙を手で拭っている深雪。深雪が泣いているところを見るのは久しぶりだ。小さい頃はよく泣いていたけど、小学校の高学年に上がる頃にはもう今の完璧超人な深雪だったから。
手が動かせるようになったので深雪の頭を撫でる。深雪が泣いた時、昔はこうやって泣き止むまで頭を撫でていたことを思い出した。深雪は撫でられることを拒否する様子もなく受け入れる。
「僕、深雪が自慢できるくらいの兄になろうと思って。だから勉強とか運動とか頑張ってみたんだ」
「そんなことしなくていいです。兄さんは今のダメダメな兄さんが一番いいですから」
「ダメダメ……。それは良くないんじゃない?」
「兄さんはダメダメじゃないと嫌です。今日から勉強も運動もやめてください。…………お弁当は続けてください」
「うん。わかったよ」
「約束ですよ」
「うん約束するよ」
深雪は僕の言葉を聞いて微笑んだ。
「あと私を泣かした罰で明日買い物に付き合ってください」
「えっ明日? 明日はずっと楽しみにしてたゲームの発売日で……」
「なんですか?」
「な、何でもないです」
■
<学校・放課後>
「深雪さん。これからどっか寄って行かない?」
「ごめんなさい。ちょっと用事が」
「そっか。何の用事なの?」
「兄と買い物を」
「えっお、お兄さん?」
「はい。……すいませんちょっと急いでいるので」
「えっご、ごめんね急いでたのに。今度また誘うね」
「ありがとうございます。また明日」
「うんまた明日ねー」
────────
「深雪さんってお兄さんいたんだ」
「初耳だよね。どんな人なんだろう。あっ……あの人かな」
「深雪さんのあんな嬉しそうな顔、初めて見たかも」
終わり
完璧な妹の自慢の兄になるために努力を始めたら、少しだけ妹の様子がおかしくなってきた話 ハイブリッジ @highbridge
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