わたしの羽も、だんだん羽らしくなってきた。

パタパタさせたら、フワリッと空に舞い上がれる。

そして、そのまま羽をパタパタさせて、空を前に進んでいける。


妹のミコは、まだ羽はないから、空飛ぶ三輪車で、いっしょに空を飛んでいる。


マミリンの羽は可愛い黄色。

わたしの羽は可愛いピンク。

2人で空を飛びながらウエノヤマ中学に通ってる。

ミコの通っているテンピ小学校も、ウエノヤマ中学のすぐそばにある。だから、ミコの両手をわたしとマミリンとでつかんで、ミコも空に引き上げて、3人で空を飛んで学校に行っている。


中3の修学旅行で、ピョンコー神社に行った。

緑の木々の参道をマミリンといっしょに手をつないで仲良く歩いていた。

前から来た女子高生3人組に

「修学旅行なの?」

って聞かれた。

「そうですよ~」

って答えたら、わたしの羽を見て

「きゃあ可愛い」

って3人で飛び上がってた。

お姉さんたちは、きれいでセクシーな羽をつけている。

「きれいな羽ですね~」

「ありがとう~」


お姉さんたちの羽にキラリッと輝くアクセサリーを見つけた。

「この輝くアクセも素敵ですねっ!」

「『クーリッシュン』っていうアクセよっ!あと『あやめっち』っていうアクセサリーもめっちゃ良いわよ~!」

「えーっ?」


「じゃあね~」

って言いながら、お姉さんたちは、羽をフワリと大きく羽ばたかせ、空をヒューッと飛んで行った。


「星にひかれてピョンコー詣り」

って描かれた、湯呑みをミコのおみやげに買った。


神社の人は

「これを巫女様...いえミコちゃんにお渡しくださいねっ」

って言って、湯呑みをていねいに包んでくれた。


「なんでミコのこと知ってるんやろ?」

ってマミリンに聞いてみた。

「買う前に『これミコに買って帰ったろ』って言ってたからちゃう?」

「そっかー!」


家に帰ってミコに、おみやげの湯呑みを渡したら

「うわ~い!ありがとう~」

って、めっちゃ喜んでくれた。

さっそく湯呑みにお茶をいれて、おまんじゅうといっしょに食べていた。

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ピンクの羽のボクあやめっち ヤッキムン @yakkimn

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