♪♪♪音♪欠♪♪オ♪♪ン♪♪♪ガ♪♪ク♪
アカニシンノカイ
♪1 それはBあるいはシ
ブゥン。
勇者は剣を振り下ろした。魔王は指一本で渾身の一撃を止めた。
斧で加勢する戦士も火炎を放つ魔法使いも回復呪文を唱える僧侶もいない。討伐隊の他の面々は、全員、倒れていた。
魔王は指先から黒い光線を放つ。勇者は膝から崩れ落ちた。
「終わりだ、勇者を名乗る浅はかなものよ。約束どおり、あれをもらうぞ」
次の瞬間、魔界から天界まで、大地も空も海も、怪しい紫の光に包み込まれた。
一瞬の出来事で、地上の人間たちはなにが起きたのかわからなかった。そして、この世界から音楽がなくなった。
時間割表から音楽が消え、音楽室はなにをするための部屋かわからなくなった。音楽教師は、はて自分はなにを仕事にしていたのだろうかと首を傾げた。ミュージシャンたちは楽器の使い方を忘れ、なぜ自分はわけのわからない道具を持っているのだろうと粗大ゴミの収集日を調べた。
これはそんな世界のお話。ある一人の少女のお話。
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