第9話・イベントの準備
調合、料理、農業のレベリングをしていて、従魔のみんなも手伝ってくれる。
シンクは念力で水撒きしたり、雑草を仕分けしたりする。
シンク、タロウも収穫を手伝い、輝夜も畑の世話をする。その時に一部の畑に浄化を使った。
「なんだこれ?」
浄化された土から上薬草とホーリーマッシュと言う野菜ができて居て、病気の薬に加工できる。なんとかいくつか『癒しの錠剤』と言う薬になった。
レベルが上がり、鍛治の仕事に回る。二つの金属を使い、装飾品を作る。細工を使用して天使と狐のレリーフを刻む。
「一個だけかーーっ!?すっげぇ集中力いるなこれ」
『細工と鍛冶のスキルが上がりました!』
「ですよねー」
天使と狐のレリーフを刻んだアミュレット。水晶の欠片を使った物だがなかなかの効果を持つ。
聖妖のアミュレットと言う名前にして僅かな防御力と賢さを上げて、神聖シリーズと妖気シリーズの効果を持つ。
麻痺毒を持つ蛇の牙を使い、牙のペンダントを妖気シリーズで作り、後は解毒のブレスレットを作る。
妖気シリーズはアクセサリーで発動させて、神聖は装備品で発動させた。
「足か腰、頭装備で神聖を発動させれば五つだな」
だが俺にそんな方法は思いつかない。とりあえず保留で。
銅鉱石が余ったので、木工を取り弓矢を作る。まずは鍛冶で矢じりを作り、木工で組み合わせる。レベルを上げてからカーストレントのドロップアイテムで弓を作るのも良いだろう。
こんな感じで市内に出ず、畑で資金集めなどしている日々。時々要塞都市に繰り出すくらいか繰り返す。
◇◆◇◆◇
「おっ、お知らせだ」
畑を増やして資金が貯まらない中、第一回イベントが始まろうとしている。
「えっと、地方の村々に行き、活性化を狙う王国。冒険者達に遠方の村に行くように促すか」
村人と交流して村を発展させるという内容。開拓村は物や人が不足していて、いろんなものを求めている。
期間は感覚時間で六日、試験的に時間の加速を試すらしい。
「例のあれか」
現実世界じゃ一時間が、ゲーム世界だと何日にもできると言う思考加速。このゲームに取り入れたと聞いていたけど、それを使って第一回のイベントをするらしい。イベント時間は最大4時間とのこと。ゲーム内では六日らしい
試験的なイベントであり、プレイヤー同士の交流も目的にしてそう。
開拓村に出向くのは良いけど、品物はアイテムボックスにいっぱい入れていた方がよさそうだな。
「これは色々アイテム集めしておこうか」
そう決めてから、俺はイベントに備える事にした。
まずはスキル上げとレベル上げ、できる限り調合などの方を中心。次に従魔の装備を整える。
それをしながらできる限りお金を集める。オイルとシュガー、水あめが売れ行きが良いから、気を付ければいいな。
では実行しようか。忙しくなるぞー
◇◆◇◆◇
イベントに備えてログインすると、すぐに輝夜達が納屋に入ってくる。
「とーさま見て見て」
「コンコン」
「!」
「はいはいどうした?」
畑の一角に立派な樹ができていて、おーと感想が漏れる。精霊の樹と言うもので、樹の中から一人の少女が現れた。
「パパ」
ツインテールの白いワンピースを着こむ少女で、パパと言って抱き着く精霊。樹の精霊と言う種族で、名前を付けてくださいとなっている。
まさかテイムモンスターが手に入るとは。単独討伐の報酬はどういうものだろうか?
名前は『ヒカリ』と名付け、樹の精霊らしく、分身を作り出して畑の世話をしてくれる。分身は光でできていて、ヒカリそっくりのシルエットだ。
精霊の樹からも採取が可能で精霊樹の枝、精霊花が手に入る。綺麗な水色の花で、加工する事で蜜や染め物の液体もできる優れもの。
分身で畑の世話が増えて、シンクと輝夜も見習いながら畑の世話をする。
「ヒカリは弓矢使いか」
光の矢を放つ、タロウと同じMP消費無しでの魔法攻撃。弓矢も揃えておこうと集め出す。イベント前にすること多いな。
「弓の練習一緒にしようか」
「うん」
ヒカリとそう話しながら畑の世話をしてアイテムの補充をしつつ、品物を売る。
今度のイベントでも良いテイムモンスターを見つけられたら良いな。後一人連れて歩けるからね。
輝夜にも精霊樹の枝と神聖のインゴットで杖を作り、シンクやタロウに装備を買いたいが、タロウは装備できないし、シンクは布だけだ。
「いや、手足に付けるブレスレット付けられるか?」
かなり根気がいるし、軽くないと邪魔になるな。レンタル場を管理するドワーフの鍛冶師に聞いてみよう。
ともかく装備を整えないと、やることは多い。
「ようし、頑張るぞみんな」
「うん」
「は~い」
「コン」
「♪」
歌唱はヒカリも使えるのか、大地の賛歌を謳いながら畑仕事。分身も歌う為、仲良く畑を耕す。
これからのイベントが楽しみだ。
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