【ついに宇沙ちゃんとベッドIN!?】

「......。」

「......。」


宇沙ちゃんがじっとこちらを見ている。

耳元で千賀さんが囁いてくる。


「ここは、宇沙仮面に求愛する場面です。」


ええっ...そんな事言われても。


「ほらあ宇沙ちゃんが待ってるよ。」


宇沙ちゃんは目を輝かせながら俺の近くに寄って来る...。


「少年...それじゃあ私は行くよ......また新たな邪神を倒すために。」


これは明らかに引き止められるのを待ってる...でもここで引き止めたら童○が......。


「ありがとう宇沙仮面!」

「......。」


俺は全力で感謝の気持ちを述べた。

これにて一件落着......。


......あれ。


「......。」

「......。」


なんか微妙な雰囲気に...。


「金丸くんさ、そんな普通の終わり方は誰も望んでないよ...演技なんだから楽しまないと。」

「ええ......。」

「はい終了!」


部長がパンパンと手を叩きながら歩いてくる。

そして首を傾げながら問いかけてきた。


「ところで金丸...お前本当に特能者か?」

「え...まあ一応。」

「特能者は監視員相手にヤりまくってるイメージなんだけどな。」

「どんなイメージですか!」


部長が綾ねえの方を見た後に腕を組みながら首を縦に振る。


「よほど優秀な監視員なのか、しかし...こんな美人と昼夜を共にして一線をこえてないとは。」


綾ねえは何も言わずただ部長を見ている。


「もしかして性欲がないのか?」

「部長...春くんはちゃんと男の子、アプローチの授業でしっかり興奮してた!」

「ちょっと!」


あんまりそーいうのは言わないで欲しいな。

というか...監視員と特能者の関係......。


確かに結婚して生涯を共にする者も多いと聞くけど...俺と綾ねえが結婚か......。


「きっと気持ちいい事を知らないだけ、私が教えるから。」


そう言うと宇沙ちゃんは俺の手を物凄い力でグイグイと引っ張って行く。


普通に歩いているように見えるが、片手一本でズリズリと身体が持って行かれる。


「ちょっとちょっと!」

「春くんを美味しく頂いてきます!」

「いってよし!」


部長勝手に許可出さないでください!

というか俺の意志は?


「綾ねえ!」

「勝手にどうぞ?」

「そんな!?」


確かに宇沙ちゃんは可愛いけど、俺が好きなのは

...綾ねえなのに。


それにクラスメイトとエッチな事をするのって良くない...良くないよね。


何とかして逃げないと。


「ねえ宇沙ちゃん...俺そーいうのよく分からないしほら、宇沙ちゃんも女の子だしさ。」

「うんー?」

「そういうのって、好きな人とするものじゃ。」


すると宇沙ちゃんはニコッと笑う。


「春くんの事は大好き、だから問題ない。」

「っ!?」


出会ってからまだ1日...そんな相手に大好きなんて台詞が普通吐けるだろうか。


「それ...みんなに言ってるの?」

「......どういう事?」

「俺だけじゃなくて、みんなにさ...好きとか。」


宇沙ちゃんが一瞬静止する。

そして俺は目の前の彼女を見て息を呑んだ。


その目はまるで所長と同じだった。


「私がそう見えるの?...。」

「いや...ほら、俺が特能者だからとか。」


そう言うと宇沙ちゃんは俺に抱きつく。

そして顔をスリスリした後、下から上目遣いで話を続けた。


「あいらぶゆ...好き。」

「ふぁ!?」

「大好き...春くんが好き。」


宇沙ちゃんは俺の腹部に顔を埋めながら、そう呟くと...次の瞬間俺を持ち上げる。


「うわっ!?」

「ふふ...このまま保健室に直行します。」

「ちょ、うわっ!!!」


宇沙ちゃんが俺を抱えたまま、ピョンピョンと凄い跳躍力で走る。


そして校舎の中に入ると、中に入ってすぐの部屋に入り俺はベッドに寝かされる。


そして...。


「カチャリ...捕まえました。」


俺は保健室のベッドに手錠で両手両足を固定されてしまった。

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