【特能クラスの歓迎会は下着で】
1年A組は特能クラスと呼ばれている。
監視員を目指す優秀な生徒や、現在監視員が付いてるBランク以上の学生で固まっているクラスだ。
俺もその説明を聞いた時は驚いた。
その事について当たり前のように話す嵐鬼先生、そして綾ねえもこの特能クラスに通っていたらしい。
「何人くらい特能者がいるんですか?」
「金丸君で5人目、特能者が増えるのは大歓迎!」
「そーなんですか?」
そして1年A組のドアの前で嵐鬼先生がカードを当てるとドアが開いた。
ドアの向こうの景色は普通の高校ではあり得ない、パソコン付きの個人デスクがズラリと並んでいた。
凄...なにこれ。
「みんなお待たせ、転校生を連れてきたぞ!」
その言葉を聞いた生徒達の視線は一瞬にして俺に集まり、そしてそれはすぐに隣の綾ねえに集中した。
俺と綾ねえは教室の前に立つと、そこには5段の列がありまるで席が離れた映画館のようだった。
「じゃあ金丸君、自己紹介どうぞ!」
「え、あ...。」
何も考えてなかった...とりあえず。
「金丸 春也です、南城高校からきました...よろしくお願いします。」
すると......。
次の瞬間にクラスの中央にいた女の子がこちらに歩いてきて......。
パン...という音と共に花束が目の前に現れた。
俺は驚いて一瞬身体を震わせる。
「金丸君、ようこそ1年A組へ。」
次の瞬間クラス中の生徒が一斉に俺の元へ集まってくる。
「私はクラス委員長の
「あ、ありがとう。」
徳川さんが花束を俺に渡すと、周りの生徒が群がってきた。
「よろしくね金丸くん!」
「よろしく!」
「後で話そうね!」
「......。」
クラスメイト約30人程から揉みくちゃにされた俺、しかも良く見たら殆ど女の子ばかり。
沢田すまん
(悲しむ顔が見たくないなら女子とは距離を置く事だ......向こうでも頑張れよ。)
いきなりめっちゃ近いよこれ。
そんな中、男子生徒も2.3人程いる事に気がついた...あとで話しかけてみるか。
「はーい歓迎終了!」
嵐鬼先生の一言でクラスメイト達は俺に手を振ったりしながら席に戻って行った。
「最初は慣れるまで時間がかかるだろうから、徳川の隣の席にした...委員長に色々聞くといい。」
「はい、わかりました。」
「さて...みんなも知ってると思うが金丸君は特能者だ、隣には監視員の藤村さんもいる......色々学ぶ事も多いだろう、仲良くしろよ。」
するとクラスメイト全員から
「はーい!」
とリアクションが取られる。
なんだこのクラス...めちゃくちゃノリがいい。
ノリ...なのかな?
「じゃあ今日は金丸君の転校初日という事で、久しぶりに体力測定をしよう!」
え...いきなり......。
「じゃあ直ぐに着替えてグラウンドに集合!」
すると......。
クラスメイト達が次々と服を脱ぎだす。
「えっ!?」
「金丸くん、机に体操服が用意してあるから着替えてね。」
そう言うと徳川さんは制服のシャツを脱ぎ下着姿になった。
「なっ、えっ?」
黒髪美少女の程よく引き締まった肉体が目の前に...ってみんな恥ずかしくないのか!?
「あっ初めてだからビックリするよね、でもここはこれが当たり前なの。」
「そうなの!?」
「特能クラスはね、監視員を目指す人が集まってるから...金丸くんも藤村さんと毎日お風呂は一緒でしょう?」
そう言われると...あ......。
わかった......。
このクラスは、監視員育成のための特別クラス......つまり常に一緒に行動するのが基本なんだ。
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