【抱きしめてキスして......。】
「っ!?」
岸本さんが不意に俺に抱き着いてくる。
身体が震えているのが伝わってきた、震えながらも思い切りギュッと抱きしめられていた。
「岸本......さん?」
「やっぱ好きだし......私ずっと待ってるから。」
「......ごめん。」
「うぁあああああああん。」
その後、俺に抱き着いたまま岸本さんは泣いていた。
暫くしてから南茂さんが岸本さんの肩を叩くと、頭をよしよしと撫でる。
すると沢田が横に並びながらその二人の様子を見る。
「良かったじゃないか、こんな良い子達に好きになって貰って。」
「はぁ......。」
「事情が事情だから仕方ないが、悲しむ顔が見たくないなら女子とは距離を置く事だ......向こうでも頑張れよ。」
そして放課後、俺はみんなからお別れの言葉を貰いながら教室を出た。
下駄箱で靴を履いていると......南茂さんが俺の肩を叩き耳元で声をかけてくる。
「ねえ金丸君。」
「ん?......っ!?」
南茂さんの唇が俺の頬に触れる、目を閉じたその顔が横目に写った。
「えへへ、次に会うまで顔洗っちゃダメだよ......またね。」
「あ......。」
南茂さんが駆け足しで階段を降りていく、その先には岸本さんの姿が見えた。
岸本さんが南茂さんに軽くガッツポーズをしていた。
まぁ......なんて言うか......。
さようなら......みんな。
そしてさようなら俺......。
綾ねえの手が俺の肩に置かれる、ああそうだ。
これだけ甘々の一日を過ごしたんだ......。
許される訳がない......。
その後、家に着いた後しっかりと首絞め調教を受けました。
それはさておき...日は流れ、今日は転校初日。
白川大付属に着いた俺はその校舎を見て驚いた、今まで通っていた南城高校とまるで違う。
入り口の門は常に施錠されており、ICカードがなければ入る事はできない。
また校舎内に入る時にもICカードが必要となる。
厳重なセキュリティシステム......本当に学校か?
綾ねえは何故かICカードを所持していて、案内なしで迷わず歩く。
「やっぱり覚えてる?」
「私がいた頃からそこまで変わってないからね。」
「でもなんでICカード、持ってるの?」
「そのうちわかるよ。」
「え、教えてよ。」
「だーめ。」
「むむ。」
それより...いざ校舎に入ってみると凄いな。
壁一面に賞状やトロフィーがズラりと並んでる......確かに白川大付属って進学校なのに運動部も全国クラスばかりだから、この数も納得できるけど。
圧巻...中にはトロフィーを持った写真なんかもある、凄いな......。
「綾ねえの写真とかないの?」
「見たい?」
「うん。」
「どーしよっかなー。」
「ならいいよ。」
本当は見たいけど強がって
しまった、見たいけど。
「しまった、見たいけど。」
......。
「そんなに見たいんだー...えっち。」
「もういいよ!」
そういえば綾ねえの学生時代の話って聞いた事ないな、監視員って印象が強かったから気にならなかったけど。
よし...暇な時間に校舎内を見て回ろう。
「ねえ春くん。」
「なに。」
「そーいう事するなら、私も春くんに恥ずかしい事......順番に質問しちゃうよ?」
「え...。」
「今まで私が履いてたパンツ...どれが1番好き?」
「なっ!?」
いやそんな事急に言われても、やばい想像して...あっ!?
「赤のやつ?それとも黒?」
あっあっあっ!?
「黒ってTバックじゃん、エッチなんだから。」
「わかったって!...詮索しないから!」
「まあ、写真くらいなら別に見られてもいいんだけどね。」
「もう!」
そして校長室の前でICカードをかざすと、自動ドアが開く。
そして中には校長とは思えない、若い女性が座っていた。
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