散歩の七百三十話 不穏な情報
その後は特に問題なく進んでいき、二日目を終えました。
うーん、相手もとにかく手を変えて花見祭りを妨害しています。
明日以降も何をしてくるか、本当に分かりません。
「ふふ、次に何かしてきたら、教育的指導が必要ですね……」
「そうですね。ふふふ、どんな教育をしてあげますかね……」
うわあ、マグカフさんとモルガンさんが真っ黒い笑みを浮かべているよ。
一番敵に回してはいけない人を怒らせてしまったようだ。
というのも、子どもたちが一生懸命に作った料理にケチをつけたことがあります。
僕たちも、その点はとっても怒っています。
幸いにしてまんまる焼きを作っていたホルンとジョディーさんは気持ち的にも大丈夫みたいだけど、だからといって許されるものではありません。
「もし、小さい子をターゲットにするのなら、僕たちも手を出さざるを得ないです」
「できるだけそういうことをしたくないのですけど、場合によってはそういう事も必要ですね」
スーも、かなり難しい表情をしていた。
まあ、スーに何か対処させる気はないし、何かあったら僕やアオが対処しよう。
そんな事を話しながら、僕たちは屋敷に戻りました。
すると、玄関で出迎えてくれた今日同行しなかった先代様がある事を教えてくれた。
「おお、帰ったか。あの連中のことで、ちょっと気になることがあってな。先に話をしようと思ったのだよ」
「気になる事、ですか?」
「うむ、捕まった人神教の連中は、揃いも揃って執事服を着たものに指示されたと言っておった」
先代様が教えてくれた内容に、特に僕とスーは驚いてしまった。
人神教で執事服を着た人物と言えば、一人しか思いつかない。
「ブローカー侯爵家でバルガス様と互角に渡り合った、あの謎の執事ではないでしょうか?」
「儂もその情報を仕入れている。騎士団長と互角に打ち合うなんぞ、この王国には数えるほどしかおらんからな」
先代様も、あの謎の執事のことを知っていたんだ。
でも、これで警戒レベルをマックスにあげる必要が出てきた。
随行員もそうだけど、マグカフさんも何らかの情報を持っているのか厳しい表情をしていた。
「尋問で得られた場所に向かったが、既に引き払ったのか何も痕跡は残っていなかった。だが、まだあの執事が何かを企てている可能性は大いにある。騎士団長と互角以上の存在がこの辺境伯領にいたのは間違いないので、兵の警戒も最大に引き上げる事にした」
先代様の言葉はとてもありがたかったが、僕たち自身もかなり気を付けないと。
ちなみに、実行委員長には人神教のかなり強い物が暗躍していると話を濁して説明したそうだ。
きっと、実行委員長も色々対策をしてくれるはずだ。
何とか、平和なうちに花見祭りを終えたいのが本音ですけどね。
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