散歩の七百三話 何とか後始末をつけました

 すぐさま、ラストさんが痺れて動けない執事を縛り上げます。

 しかし、悔しそうに僕たちを睨みつけている表情をみるに、間違いなく闇組織の構成員だと証明しているものでした。

 そして、他のメンバーも動き始めました。


「「「悪い人を捕まえてくる!」」」


 ジョディーさんとノア君以外のメンバーが、アオとともに屋敷内に散らばります。

 そして、執事は駆けつけた男爵領兵によって連行されていった。

 僕たちは再び席についたけど、男爵はまだ信じられないといった表情だった。


「その、母親の実家から優秀な執事を送ると言われました。実際に仕事ぶりは良かったのですが……」

「恐らく、組織にとって不都合な命令は無視していたのでしょう。領内の利益関連も、調べをした方が良いでしょうね」

「はい……そうします……」


 男爵は思わずがっくりとしちゃったけど、成人になる前だからまだ難しいのかもしれないね。

 スーも通信用魔導具で王城に状況を伝えていたけど、直ぐに連絡が入りました。


「男爵様、王都直轄領より国軍が派遣されるそうです。男爵様の母型の実家にも、直ぐに捜査の手が入るとのことです」

「すみません、本当にありがとうございます」


 帝国への訪問団に害をなす可能性もあっただけに、国も直ぐに動くことになりました。

 そして、ホルンが応接室にやってきたけど、ビックリすることを言ってきた。


「あのね、六人捕まえたよ。使用人に、料理人に、護衛も捕まえた!」


 うん、料理人と護衛に闇組織の構成員がいるのは不味いな。

 男爵を殺害する事も、ある意味容易だっただろう。

 しかも、料理人二人が闇組織の構成員なのは痛いよ。


「あとね、兵にも怪しい人がいるっぽいから捕まえてくるね」

「うむ、私も行こう。ちょっと、懲らしめないと駄目だろう」


 ラストさんは、ずっと馬車に乗っていて退屈だったんでしょうね。

 生き生きとした表情で、ホルンの後をついて行った。

 では、僕は少なくなった料理人の補佐をしてきますか。


「じゃあ、皆さんこの後をお任せします。僕は、夕食を作ってきますね」

「ええ、こちらはお任せください」


 スーや他の人は普通にしているけど、男爵は僕が作るのって疑問の表情を浮かべていた。

 しかし、夕食に出ていた料理を見て、目を輝かせていました。

 小さい子もいるので、今日はハンバーグをメインにした料理です。


「お、美味しい。これが雷撃の料理人が作る料理なのですね」

「シュンさんの作る料理は絶品ですから」


 どうやら、男爵もとても満足してくれたみたいです。

 スーも、少し誇らしげですね。


「「「おかわり!」」」

「私も頂けますか?」


 そして、悪い人捕まえる班は思いっきり動いたのかラストさんもおかわりを求めていました。

 美味しい料理は、みんなを笑顔にしますね。

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