散歩の三百七十七話 今日は女性陣が昼食の準備を行います
孤児院の解体を始めてから一週間。
屋根や壁などは取り除かれて、柱や床材の解体に取り掛かっています。
「おう、あんちゃん。柱は、腐っている所をカットすれば使える。後で、纏めて木工場に運んで置くぞ」
「わざわざ、ありがとうございます」
「良いって事よ。俺等も使える物は使うって主義だし、孤児院の為になるなら皆協力するさ」
解体現場の冒険者も協力してくれて、そこそこの木材が集まった。
例えばテーブルの脚に使ったりと、木材を組み合わせて再利用する事が検討されていた。
この辺りは、孤児院の子どもも積極的にアイディアを出しています。
「キチッと紐を引っ張れよ!」
「「はい!」」
教会の方は、床板が外されて清掃も終わっていた。
木材を加工する為の測量が教会内で行われていて、棟梁が若い二人の大工に激を飛ばしていた。
因みに、女神様の木像も補修の為のパテがひび割れた所に埋め込まれていて、現在は乾燥中です。
女神様の木像もアオが表面の汚れだけを溶かしたので、かなりピカピカになりました。
この調子なら木像の修復作業も進んで、教会は早めに再開出来そうですね。
シャッ、シャッ、シャッ。
「おお、アオがまた出来たって」
「くそ、速すぎるぞ」
現場も落ち着いたので、僕とアオは当初やろうとしていた木工場で出た端材を使って小さな女神様の木像を作っていた。
風魔法の良い訓練になるのだが、僕は最近料理ばっかり作っていたのでアオの方が風魔法を上手く使っていた。
焦ると失敗するので、慎重にやらないとならない。
まあ、ある程度小さな女神様の木像が出来たら、木皿やフォークにスプーンを作るか。
「「塗り塗り塗り」」
因みにフランとホルンは僕とアオの横でお絵かきをしているが、今まで頑張っていたので良しとしましょう。
トントントン。
「皆様、包丁使いが上手ですわ」
「このくらいは出来ないと、シュンさんに女性として負けてしまいます」
「シュンさんは、男性としても別格に料理が上手ですよ」
「アオちゃんも、料理はとても上手ですよね」
今日は女性陣が昼食を作るそうで、トリアさんの指導を受けながら頑張って仕込みをしています。
スーも前より料理が上手になったし、ケーシーさんとテルマさんも包丁さばきはとても上手です。
「おっ、良い匂いがしてきたな」
「今日は嬢ちゃん達の料理か」
「女性の手料理ってのも良いもんだな」
匂いにつられて、作業員もやって来ました。
さて、僕も一旦終わりにしようとした所で、一台の大きな馬車がやってきました。
どう見ても、辺境伯家の馬車だぞ。
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