散歩の三百七十五話 不要な所の廃棄処分開始

「よっしゃ、椅子は全部運び出したな。次は床板を剥がすぞ」


 昼食後暫くすると、教会の中から全ての椅子を木工場へ運び終えた。

 床板を剥がすらしいので、再利用出来るか聞いてみよう。


「おお、あんちゃんか。良い所に来た。床板は全部廃棄だ。腐ってやがる」


 ボロボロ。


 棟梁に呼ばれて剥がした床材を見せて貰うと、これは再利用できないって直ぐに分かった。

 長い間床材として使っていて、湿気を吸ったりしてボロボロになっていた。


「これだけ腐っていると、燃やして埋めるしかないな」

「何とかして、再利用出来ないかと思ったんですけどね」

「再利用できない程頑張ったと思えば、少しは気が楽になる。新しい物を作ろうとすれば、どうしても捨てる物も出てくるぞ」


 棟梁もどうしようもないと判断するレベルなので、ここはスパッと切り替えるしかない。

 剥がされた床材は、のこぎりで小さく切りそろえられて荷台に積まれていった。


 ざっ、ざっ。


「「「ふんふんふーん」」」


 シロ達は、口あてをして剥がし終わった床をほうきで掃いていました。

 ケーシーさんとテルマさんも、シロ達と一緒に床を掃いています。

 床材が腐っているので木くずが沢山落ちていて、掃いて綺麗にするだけでも大変です。

 大勢の人と手分けして、作業を進めます。

 僕は、そのまま棟梁と一緒に孤児院の解体現場に向かいます。


「気をつけて剥がせよ」

「「「せーの」」」


 バリバリ。


 解体現場でも、威勢のいい声が聞こえてきました。

 次々と木材が剥がされて行き、既に屋根の半分は解体が終わっていました。


「まあ、思ったとおりだが屋根も駄目だな。これも廃棄だ。壁材もだな」壁材も使い物にならないだろうから、柱がどの程度使えるかがポイントだな」


 まあ、孤児院はボロボロだったから、ある程度は廃棄処分になるだろうと思っていたよ。

 こちらも運びやすいサイズにカットして、荷台に積み込みます。


「この分だと、数日は廃棄処理が続くだろう。教会は良いが、孤児院は後作業や基礎づくりもキッチリとならないとな」


 棟梁の言う通り、作業はキッチリとやらないと。

 こんな感じで、今日の仕事は終わりました。


「今の所、順調らしいな」

「はい、特に遅れはありません」


 夕食時に先代様から進捗具合を聞かれたけど、まだ工事が始まって直ぐだしトラブルも何も起きていない。

 トラブルがあるとすると、建築作業になってからだろうね。


 グルルルル……


「腹減った……」


 お腹の虫が盛大に鳴っているのは、辺境伯様です。

 工事現場でお肉サンドを食べすぎて昼食が食べきれなかった為に、罰としていつもの半分以下の量しか出して貰えませんでした。

 自業自得なので、全員がスルーしています。

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