散歩の三百五十二話 合同結婚式の準備はばっちりです
結局材料が届くまでの間は、屋台は臨時休業になりました。
侍従が屋台に残るそうで、僕とトリアさんは結婚式の準備を行う舞台袖に向かいます。
因みに、侍従はある程度武芸の心得があるし、守備兵も念の為に一人付いてくれるそうです。
「スー、手伝いに来たよ」
「あれ? シュンさん、屋台はどうしたんですか?」
「売り切れです」
「そ、そうなんですね……」
僕が舞台袖に顔を出すと、スーツっぽいパンツスタイルの衣装を着て髪をセットしたスーが顔を出しました。
流石に合同結婚式に参加する夫婦よりも豪華な衣装を着るわけにも行かないので、無難な服を着ています。
「何か手伝う事あるか?」
「いえ、大丈夫ですよ。司会は別の方が行いますし、参加者の着付も終わりましたので」
どうも本当にスーのやる事は終わっているみたいで、後は合同結婚式の成り行きを見守るだけみたいです。
スーと一緒にいたケーシーさんとテルマさんも、スーと同じくやる事はないみたいです。
「あっ、シュンお兄ちゃんだ!」
ここで、合同結婚式が本番のシロ達がやってきました。
シロ達はフラワーガールとリングガールなので、可愛らしいワンピースドレスを着ています。
フランとホルンの羽も良い感じにアクセントになっていて、中々可愛らしいです。
「シロもフランもホルンも、準備万端だな」
「そーだよ。お花をいっぱいまくんだよ!」
「「頑張る!」」
髪も綺麗にセットされていて、シロ達もニコニコが止まりません。
と言っても、シロ達も本番までやる事はないそうです。
「そういえばアオの姿が見えないけど、どこに行った?」
「アオはケントちゃんの所にいるよ!」
シロに言われて辺境伯様の席に行くと、ニコニコ顔でまんまる焼きを頬張っているケントちゃんの側に辺りを見回しているアオの姿があった。
辺境伯様の席は周りがとても見やすいから、辺りを見るのにとても役立ちます。
因みに、辺境伯様の頬が赤くなっているので、エミリア様に怒られたのだと推測できます。
護衛を付けずに屋台の列に並んだ事なのか、ケントちゃんの楽しみにしていたまんまる焼きを大量に買った事なのか、僕は両方が原因だと思うぞ。
「じゃあ、僕は舞台袖に居て周りを見回す様にするよ。スーもシロ達も頑張ってね」
舞台は問題なさそうなので、僕は舞台袖の見晴らしの良い所から周囲を見回す事にしました。
さて、できる限りの事はやったし、闇組織はここからどうやって動くかある意味見ものですね。
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