散歩の三百三十二話 謎の脅迫文
午後も、順調に作業が進んでいきます。
収穫祭の舞台もほぼ完成し、結婚式関連の道具も全て揃いました。
何よりも街の人がとってもやる気になっているので、僕達も絶対に収穫祭を成功させようって気になります。
「じゃあ、服は全部しまうよ。あと、仕舞った方が良いものはある?」
「うーんと、大丈夫です。他の物は、アオちゃんが仕舞ってくれました」
夕方になったので、僕達も後片付けを行います。
僕とアオのアイテムボックスに色々としまっているので、収穫祭を行う広場はとても閑散としています。
でも、明日の朝一気に準備すれば、舞台も完成します。
「後は、明日になるのを待つばかりだな」
「そうですね。何とか、収穫祭を成功させたいですね」
スー達も帰り支度が出来たので、僕達も屋敷に帰ります。
明日の朝は、少し早く広場に行かないと行けないですね。
「ただいま戻りました」
「おかーりー!」
屋敷に戻ると、元気いっぱいのケントちゃんが僕達をお出迎えします。
そして、ケントちゃんの後ろからエミリア様もやってきました。
「お帰りなさい。収穫祭の準備も、順調に終わったみたいね」
「はい、無事に明日を迎えられそうです」
「そう、良かったわ。汗を流して、食事にしましょう」
準備作業が無事終わった事は辺境伯家に伝わっていたみたいで、エミリア様も笑顔で僕達を迎えてくれました。
僕達も部屋に戻ってお風呂に入ってから、食堂に向かいました。
「お待たせしま……、あれ? どうしたんですか?」
食堂に着くと、何故か表情が硬い先代様と辺境伯様が席に座っていました。
さっきは笑顔で僕達を出迎えてくれたエミリア様も、難しい表情をしています。
「シュン、これを読んでみろ」
「は、はい。拝見いたします。何々、収穫祭を楽しみにしていて下さい、人神教。つまりは、奴らの脅迫文ですね」
「そういう事だ。さっき、広場を警備していた兵が何者かに襲われて、この手紙が置かれていた。念の為に兵を増員しながら、広場の警備にあたらせている」
手紙を渡してきた先代様も、ちょっと難しい顔をしていた。
広場の警備についていたのは、辺境伯軍の中でも選ばれた人です。
その人を複数倒したという事は、かなりの強さを持っている証拠です。
「じゃあ、アオが後で広場に行ってくるって!」
ここで食堂に入ってきたのは、アオを抱いたシロ達でした。
アオは、やる気満々で触手をふりふりとしていました。
「街も、巡回してくれるって言っているよ」
「じゃあ、僕も一緒に街を巡回をしてきます。探索魔法も使えますので、アオと同時に使えば状況が分かるかと」
「すまんな、頼めるか?」
先代様からも頼まれたので、食後に僕とアオで街を巡回する事になりました。
何事もない事を祈るしかないなあ。
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