散歩の三百二十二話 準備は順調に進んでいきます
翌日以降も、僕達は主にお祭り会場の準備を行っています。
先代様と辺境伯様とエミリア様は書類対応もあるので、半日だけ会場に顔を出す事が多くなりました。
「ぶー、つまんなーい」
「ケンちゃん、お仕事だから仕方ないのよ」
「はーい」
会場で走り回っている事が多いケントちゃんにとって、半日だけになるのはかなりつまらないみたいです。
エミリア様の忠告も、仕方ないって感じで返事をしています。
ケントちゃんはまだ小さいからお昼寝タイムもあるし、こればっかりはしょうがないですね。
「綺麗に出来ました!」
そして、スー達は造花作りや小物作りも頑張っています。
エミリア様から言われた花嫁修業を頑張るという事に、力を入れているみたいです。
将来生まれた子どもの為に服を縫えるといいねって言われて、更に張り切っているみたいです。
たまに料理を手伝っているけど、流石に貴族家に嫁げば料理をする機会は少ないかも。
でも、張り切っている事はとても良い事です。
「ここはこんな感じで縫うと良いですよ」
「おお、綺麗に出来た!」
トリアさんも、主にシロ達の面倒を見ながら裁縫とかを教えています。
何故か裁縫の素質があったシロの裁縫の腕はめきめきと上がっていき、正直な所女性陣では一番上手になっています。
もしかしたら、シロの新たな趣味になるかもしれませんね。
「順番に並んでねー」
早々に裁縫を諦めたフランは、主に料理関係と他のお手伝いをしています。
フランも女の子なんだから何とか裁縫を覚えて貰いたいけど、こればっかりは本人のやる気次第だもんなあ。
で、いつの間にか祭りのメインモニュメントになったのが、アオの作った女神像です。
「ありがたやー、まるで女神様が目の前に現れたみたいだ」
「本当ですわね。ここまで素晴らしい女神様の木像は、今まで見た事がありませんわ」
特に年配の人は、女神像を見ただけで涙する人もいる程だった。
文句なしに広場の中央に飾られる事になり、豊穣を祈願すると共に結婚式でも祝福をする象徴になりました。
「ふう、祭りもあと三日ですね」
「ええ、ここまでくれば明日にでも祭りが出来る程よ。色々とありがとうね」
僕はエミリアさんと共に、ほぼ準備が進んだ広場を眺めていました。
あと三日、されど三日。
ここで、大問題を引き起こす者が王都から到着するとは夢にも思っていませんでした。
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